ソウルでの調査     (2006/02/07)
  
 5日午後から一泊で韓国ソウルに飛ぶ。午後7時半、ホテルに到着するや日付が変わるまで交流、翌朝も午前7時から朝食を取りながら、9時半からは与党ウリ党本部訪問、11時半頃から野党ハンナラ党本部訪問と、午後2時過ぎの飛行機で帰阪するまでハードなスケジュールながら中身の濃い調査と交流を行うことが出来た。

日本で現在禁止されている選挙期間中のインターネット活用について“先進韓国”の実情を調査することが目的だった。プレゼンを受けたのは選挙時や通常の政治活動でどのようにインターネットを活用しているのか、そのプロジェクトの責任者や政党幹部だったのだが、一言で申せば、そこまで進んでいるのかと衝撃だった。


ホテル到着後、夜遅くまで・・・ (写真部クリックで拡大)

韓国ではすでに71.9%の国民がインターネットを利用し、20代では97.2%だと言われている。新聞やテレビなど他のメディア以上に『政治公論の創出』に影響を及ぼしており、それは掲示板へのreply(書き込み)によって新しい価値『issue』が形成されていく。20代・30代・40代前半は新聞を購読せず、インターネットと『reply journalism』を活用している。

それぞれの皆さんが強調されていたのは、政党や候補者の側から「政策」を押し付けるのではなく、有権者・国民からの『issue』にどう的確に対応するかが重要だとのことだった。韓国におけるこのような政治文化(参加する民主主義)は、80年代後半の民主化の進展による「386世代」(30代・80年代に学生運動・60年代生まれ)が主要な担い手であり、官製の抑制的・閉鎖的メディアへの対案的意思だったと説明された。

これらの国民を『Netizen Kentarous(半人半獣族)』と呼び、Net citizenが由来だろうか、韓国社会でこの言葉も定着している。政策はつまらないもの、『issue』は大衆が関心を持つもの、今や政治家のためではなく、一般の有権者が政治家を支配する手段になりつつある、優秀な学者が作った分厚いハンナラ党の「政策資料集」は誰も読まず、自由な書き込みで遊べたウリ党が勝利した、と異口同音に言われると、それはポピュリズム(大衆迎合)ではないのかと反論したくなる。


ウリ党にて・・・ (写真部クリックで拡大)
事実、私が「政治とはそんなに簡単なもので無いのでは‥‥」と聞き返すと、『政治に長けていることと、その地位を与えられる(選挙で勝利すること)は違う。』『強いものが正しいものに勝つ。』と即座に言われてしまった。

また、自由な書き込みによる誹謗・中傷などマイナスの側面への対応はとの質問に対して、悪質なものは削除しても良いが、むしろ追加の丁寧な説明や立証などで対応すれば、嘘や誹謗中傷のreplyは『Netizen』から信用を失い、自浄作用が働く。
「情報通信網利用促進法」で損害賠償請求も行いうる。選挙中は実名でのreplyに限定し、サイバー不正監視団、警察のサイバー捜査隊、NPOの不正選挙監視団が監視しており、不正なreplyを行えば当選取り消しにもなるなど、規制も行われているようだ。

ウリ党とハンナラ党の責任者にもお会いした。ウリ党は電子政党(e‐party)委員会(議員・党役員・専門家など24人で構成)、e‐party室(室長含め実務者11名で構成)を設置して、党のホームページの作成だけでなく、前述のreplyに対応する『community space』や『P-CRM(Party Customer Relationship management)』なども充実を図っている。

ハンナラ党も広報戦略本部の元にデジタル政党全国委員会と道・市にも委員会を設置し、委員長・副委員長は党の任命でなく、Netizen の投票で選んだ。07年の大統領選挙、08年の総選挙に向け、前回の大敗を教訓にホームページのほかにミニホームページ(ブログ)、ポータルサイト、パロディーなどのインターネット広告も作成し実施しているとのことだった。

総じて、本年5月のソウル市長選挙、07年冬の大統領選挙、08年4月の総選挙に向け、政権を争って韓国の各政党がインターネット選挙へ一層傾斜していくことだけは強く印象に残った。民主党としても、私自身のホームページも抜本的な工夫を考えなければならない。


ハンナラ党にて・・・ (写真部クリックで拡大)



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