| 「密約」と防衛施設庁予算 (2006/02/24) | ||
24日朝日新聞朝刊は、1972年沖縄施政権返還時の『密約』について、当時の政府高官(外務省アメリカ局長)が『密約が存在したこと』、2000年に米公文書でこれが明らかになった以降も外務大臣の要請で『密約の存在を否定し続けた』ことを明らかにした。 前年に「沖縄返還協定」が日米間で締結されたが、米国が支払うべき「返還土地の現状回復補償費」(米軍が占有していた土地を元の田畑に戻すための400万ドル、当時で約12億円)を米側が残す資産を日本が買い取る費用、総額3億2千万ドルの中にもぐりこませて肩代わりしたというものだ。 これは40年以上前の外交秘密だが、現に問題になっていることとも密接な関連がある。 日米両政府は3月末を目途に米軍再編(トランスフォーメーション)の合意を目指している。米軍再編は冷戦後の世界戦略、とりわけ9・11同時多発テロ後の米軍事戦略を世界的に変更するものであり、米海兵隊のグアム移転、普天間基地返還とキャンプシュワブ・辺野古への移転、米陸軍司令部の座間移転、原子力空母の横須賀母港化など、日本国内の米軍基地の機能再編と自衛隊との連携強化など多くの課題が挙げられている。 米軍再編について個々の問題点は別に論じることにするが、日本政府の負担と官製談合に関わって申し上げたい。例えば、在沖縄海兵隊のグアム移転経費について、米側は移転経費の総額を76億ドル(約9千億円)、うち住宅整備費は約47億ドルと提示している。これを日本政府が負担すべきだと言うのだ。 これには伏線がある。 78年、金丸防衛庁長官当時に始まった思いやり予算、在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部(62億円)を日本政府が負担したものは、05年度で2378億円に及び、日米地位協定の枠を超える法的根拠の無いものだと言われている。 円高とベトナム戦争後の米経済が不振だった時代に創設されたにもかかわらず、今日、日本が財政危機、米国が好景気を維持している中でも続いてきた。SACO(日米特別行動委員会最終報告)関係経費、単年度で263億円もこれに当たる。また、提供施設の整備や施設の借料・補償経費などで2275億円が予算化されている。官製談合の舞台となった在日米軍・岩国飛行場の滑走路移設工事、佐世保米海軍施設岸壁工事もこれらの予算で行われているのだ。 日米地位協定の枠外で米国の世界軍事戦略のために膨大な予算がつぎ込まれようとしている事自体が大きな問題であるとともに、これまでの工事も予定価格を天下り先のゼネコンに知らせる談合で98%ほどの高率で落札されてきた。防衛施設局の年間予算が年間2千億円余りだから、これが3割下がればそれだけで年間6百億円の無駄遣いが減ることになる。 『日本はアメリカに守られているから』の一言で、米軍基地の存在そのものと日本の負担を看過して良いのだろうか。 |
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