合計特殊出生率と柳沢発言      (2007/01/31)
  

柳沢厚生労働大臣の『女性は子供を生む装置・機械』発言で補正予算審議の冒頭国会がストップした。野党はこぞって罷免を要求している。

「女性の人権を深く傷つけた」上に、子育て支援策策定の主務大臣として決定的に認識が問われている。発言の要旨は『15歳から50歳の出産可能年齢の女性の人口は決まっており、後は一人頭何人産むかの個人の問題だ』としているところだ。

1.26まで落ち込んだ日本の合計特殊出生率の分析が全く出来ていない。少子・人口減少社会の原因は何か。

まずは若者たちの非婚・晩婚・晩産化の理由だが、格差拡大社会で年収200万円以下の非正規労働者がサラリーマンの4分の1を占める事実、24歳以下の若者の半数がパート・アルバイト・派遣だという事実を語っていない。子どもを生み育てていく余裕がないのだ。

次に、たとえ子供に恵まれても、大学卒業までの学費・教育費を考えると2人目、3人目の出産を躊躇することは容易に考えられる。また、女性(育児は男性も)が出産・育児を働きながら続けていくこと(出産休暇・育児休暇・育児時間・看護休暇などの諸制度、ゼロ歳児保育)、あるいは、「オランダモデル」と言われるフルタイム−パートタイム(育児時)−フルタイム(子育て終了)の分業も整っていない。

日本において少子化対策を真剣に考えている責任者なら、前述の“本音”の発言が出るはずはないのだ。

1月28日の読売新聞は「フランス、出生率2.005まで上昇」の特集記事を掲載していた。94年に1.65まで下がった出生率がV字回復したというのだ。

そして、その根拠に国・社会をあげての子育て支援(フランスモデル)があるのだ。出産休暇は第1・2子16週間、第3子24週間、父親は4ヶ月以内に11日間の休暇、育児休暇1人目で6ヶ月間、休暇中の手当月31万円、労働時間75%の短縮、お手伝いさん雇用補助、託児所費用の補助、家族(児童)手当は20歳まで所得制限無しなど、手厚い支援策が網羅されている。

柳沢大臣はこれらを国民に正しく伝えて、国・企業・家庭を貫く少子化対策を訴えるべきだったのだ。失格、辞任しかないと思う。



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 い な み の ひ と こ と