久間発言を弾劾する・・・辞任を受けて     (2007/07/02)
  

6月30日、久間防衛大臣の千葉県での講演で、『原爆が長崎に落とされて‥‥、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で、今、しょうがないなと思っている』と決して許されない発言を行いました。

東西冷戦下で日米安保条約を選択した正当性に言及する際の発言だと報道されていますが、日本の防衛・安全保障政策の責任者であるが故に余計に許されないとも言えるのです。『核と人類は共存しない』との認識が全く欠落しています。野党はこぞって安倍首相に久間大臣の罷免を要求しました。

これまで私が何度も指摘してきたように、日本は唯一の被爆国として、核廃絶を世界にむけて発信し、『非核三原則』を国是としてきました。

核兵器不拡散条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)、戦略核兵器削減条約(STARTT・U)、米ロ戦略的攻撃能力削減に関する条約(モスクワ条約)、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約、戦術核兵器の廃棄協議など、不十分ながら核軍縮への歩みが進みつつあることも、毎年のように日本が国連総会における核軍縮決議案を上程し採択してきたことと無関係ではありません。

久間防衛大臣の発言は、広島や長崎の犠牲者、遺族、現在も苦しむ被爆者の心を踏みにじり、深く傷つけるとともに、核兵器による抑止、核兵器の使用を容認する米世界戦略に追従する以外の何者でもありません。

また、「原爆投下が戦争終結を早めた」との米国の原爆肯定論に利する内容です。1945年8月を振り返れば、すでにポツダム宣言が発せられており、唯一の地上戦としての沖縄戦が終わって、日本の敗色は決定的でした。

国民は窮乏生活を余儀なくされ、艦船・航空機、補給路を含め戦争遂行能力を失っている状況で、秘密裏に終戦の外交交渉も盛んに行われていた時期です。

この歴史的事実に目をふさぎ「原爆投下で戦争が終わった」と述べることは歴史を欺く行為でもあります。私は久間大臣の個人的発言と言うより、安倍内閣が標榜する『戦後レジームの脱却』という危険な本質を露呈した発言として捉えています。参議院選挙で国民の怒りを集中しなければなりません。


【久間大臣の辞任を受けて】 (7/3 14:30 追記)

野党からの罷免要求に対して、マスコミに『そんなことはいつものことなので』と開き直っていたことからすると急転直下の辞任劇です。

柳沢厚労相、松岡農水相をかばい続け、松岡氏については自殺と言う悲劇を招いたことを考えると、結局、内閣への求心力と総理自らの保身だけが判断基準になっているとしか思えません。

当初、更迭を否定し、厳重注意で鎮静化を図ろうとしたにもかかわらず、「けじめをつけさせて欲しい、参議院選挙にも悪影響を及ぼすので‥‥」との申し出に、安倍総理が「そうですか、残念ですがその決意を受け止めます」とあっさり受理したのは、官邸・与党主導でむしろ久間氏が詰め腹を切らされたとの印象が強く残ります。



      ( 元へ戻る )


     




 い な み の ひ と こ と