No. 会 議 名 号 数 開 催 日 タ イ ト ル
  
001  衆議院 総務委員会 第159回第4号  2004.02.26  地方交付税法等改正法案




第4号 平成16年2月26日(木曜日)

平成十六年二月二十六日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 佐田玄一郎君
   理事 左藤  章君 理事 佐藤  勉君
   理事 滝   実君 理事 野田 聖子君
   理事 伊藤 忠治君 理事 松崎 公昭君
   理事 松野 頼久君 理事 桝屋 敬悟君
      今井  宏君    岩崎 忠夫君
      岡本 芳郎君    奥野 信亮君
      亀井 久興君    自見庄三郎君
      田中 英夫君    谷  公一君
      谷本 龍哉君    西田  猛君
      萩生田光一君    平沢 勝栄君
      松本  純君    三ッ矢憲生君
      山下 貴史君    稲見 哲男君
      大出  彰君    川端 達夫君
      黄川田 徹君    須藤  浩君
      田嶋  要君    高井 美穂君
      寺田  学君    中野  譲君
      中村 哲治君    西村智奈美君
      橋本 清仁君    山花 郁夫君
      若泉 征三君    河合 正智君
      長沢 広明君    塩川 鉄也君
      吉井 英勝君    横光 克彦君
    …………………………………
   総務大臣         麻生 太郎君
   総務副大臣        田端 正広君
   総務副大臣        山口 俊一君
   総務大臣政務官      平沢 勝栄君
   総務大臣政務官      松本  純君
   財務大臣政務官      七条  明君
   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  板倉 敏和君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           小島比登志君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 水田 邦雄君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君
   総務委員会専門員     石田 俊彦君





○佐田委員長
 次に、稲見哲男君。

○稲見委員
 おはようございます。
 昨年の十一月に当選をいたしまして、初めての総務委員会での質問ですので、少しだけ自己紹介をさせていただきます。
 その前は、大阪市役所に二十八年ほど勤務をいたしておりました。区役所の窓口、第一線職場での仕事も多くありました。そういう中で、九三年から九四年、九五年、地方分権についての議論が非常に進んでいく、特に九六年の三月でございましたけれども、先ほども出ておりました諸井委員会、地方分権推進委員会の中間報告、これを現場の職員として読みました。
 少しだけ引用しますが、「国権の最高機関たる国会が率先し、これに内閣が歩調を合わせ、明治期以来の中央集権型行政システムを新しい地方分権型行政システムに変革しようとする決意を表明したものであって、わが国の憲政史上にも稀なる画期的な政治決断であった。」「それは明治維新・戦後改革に次ぐ「第三の改革」というべきものの一環であって、数多くの関係法令の改正を要する世紀転換期の大事業である。」これを非常に感動を持って私も読ませていただきました。
 したがいまして、政治家を志した中でも、地方分権をライフワークとしていきたいと思っております。きょうは、そういう意味で御質問をさせていただきたいと思います。また、人の好き嫌いというのは第一印象で決まる場合もございますので、私も丁寧に御質問させていただきます。ぜひ優しく御答弁をいただきますようにお願いを申し上げます。
 一昨日も、またきょうも議論が続いているわけでございまして、私もこの分権改革が三位一体の改革として進むことを全く否定をいたしておりません。先ほど申し上げたとおりでございます。地方からの引き続く地方分権を求める声も大きいものがあるわけでございますし、先ほど大出委員からもありましたように、第一次の分権改革で進まなかった、踏み込めなかった、いわゆる国庫補助負担金と地方交付税、そして税財源の移譲、このことがようやく課題になったということだというふうに思います。
 第二次分権改革ということでいいますと、三位一体を推進するのであればぜひ徹底をしていただきたい、こういうふうに徹底して進めていただきたいというふうに思っております。地方の自主的な、また自律的な政策推進、町づくり、こういうものができる真の地方分権の仕組みを確立していかなければもう日本はだめになる、こういうふうに思っておりますし、全国画一的な政策推進では、大臣もおっしゃっているように地域、地方は元気にならない、地方の再生はあり得ない、こういうふうに思います。
 また、一昨日もおっしゃっていましたけれども、地方の中央への依存、こういうものも地域をだめにしていく、こういう認識は持っております。地域、地方の特性や、人材を直接生かせる仕組み、これを自主的、自律的に確立して、元気な地域づくり、日本の再生を展望していかなければならない。その重要な時期であり、大変重要な議論だ、こういうふうに思っております。
 その観点から申し上げますと、まず一つ目に、これは皆さんからもありましたが、国庫補助負担金の削減額が一兆三百億円、地方交付税の削減額が一兆一千八百三十二億円、臨時財政対策債の削減というのが一兆六千八百億円、合計で三兆八千九百三十二億円、こういうふうに減額をされております。先ほどからの議論もお聞きをしておりましたけれども、来年度の税源の移譲額としては四千五百七億円ということにすぎないわけでありまして、削減額全体の一一・五%ということにすぎなくなっております。地方への税財源の移譲が極めて少ない、こういうふうに思います。
 三位一体の改革を進めて地方の自律的な力を財政面から確立していくべきにもかかわらず、このような結果になっており、財政のつじつま合わせを地方の負担でしのごうとする、いわゆる地方を励ますという三位一体ではなしに地方いじめになっているんではないか、そういう点で大臣のお考えをお聞きいたしたい、こういうふうに思います。

○麻生国務大臣
 稲見先生、現場におられましたのでよくよくお詳しいんだと存じます。
 基本的には、今言われたように、地方と中央との関係をどうやって対等にするか、そのためには財源を、そして最後には権限をというところの三段階、先ほど大出議員の御質問にもあったところだと思います。その前提で、今、お金のところに、第二段階に来ているというところなんで、今言われましたように、額につきましてはいろいろ差が出てきておるではないかというところなんだと思いますが、おっしゃる点は、その点だけ見ればそういうことになるんです。
 先ほど申しましたように、いろいろ地方税収が変わった部分とか、そういったところで二兆ぐらい、前回は減っております分だけ交付税が伸びた。今回はその分だけは、地方税の収入は微増することと予想されておりますので、そういったところで地方交付税が約二兆ぐらい違う。
 また、いろいろな意味で、地方でもある程度努力をしていただかないかぬ。かなり単独事業等々で膨れ上がった部分につきましては、ある程度努力をして減らしていただかないかぬ。
 また、人員につきましても、ラスパイレス指数等々を見ましても、大阪市周辺というのは、結構今までは高かったところで、随分減った。最近は、稲見さんのおかげで一〇三ぐらいまでですかね、ちょっと褒め過ぎかな、これは。従来は大きかった。一〇三ぐらいまで、全国平均で減ってきておりますので、そういった意味では、昔に比べれば随分努力をしていただいているところなんだと思います。そういった努力をしていただいても、なおかつ今いろいろ、当面の間として、差が出ていることは確かだと思っております。
 ただ、基本的な流れとして、今、この前の段階で補助金の削減約一兆円ということとあわせまして、義務教育とか保育園とか、いろいろな形でその部分につきましては税源の移譲がなされているところ、自由度がその分だけ増しておるというところもちょっと頭に入れておいていただきたいところで、義務教育国庫負担ではなくて、例えば、公立保育園の話が先ほども出ておりましたけれども、この公立保育園につきましては、これをしなければならないと細かく決められておりましたところにつきましては、地方に税源として渡された分だけ、地方の自治体を運営、経営しておられる首長さんによって、与えられた補助金ではなくて、税源ですから、その税を使っていただいて保育園をするに当たっても、その保育園の内容を公設で民営化するとか、いろいろ細かく決められておりましたところにつきましては随分自由にしていただいて、その中から経費をいろいろな形で浮かせていただく等々のことができるようにもなりつつあります。
 また、いろいろな意味で、それでも足りないとか、今まで既に仕事が始まっておる、もう既に始まっちゃっているんだから、今さらとめようがないじゃないかという御意見もいっぱいありますので、その点につきましては、将来そういったことをやっていただくのであれば、今ちょっと三年でやられるところを四年でやっていただけませんかとか、いろいろな形の御相談をさせていただいたりもいたしております。
 個別にいきますといろいろありますので、なかなか一概にこれというのは申し上げられないんですが、その差額は、基本的に今後とも地方に自由度がふえます財源のもとを今回ははっきりと基幹税として、いわゆる所得税を地方住民税に振りかえるという方向が打ち出されたというのは非常に大きな変化だったと思っております。
 その意味では、今回の流れというものは、方向が出ましたので、譲与税というわけのわからぬ言葉になっておりますけれども、これは基本としては、住民税に事が移っていくということをはっきり示しておりますので、そういったものでいきますと、三年たちましたときの四兆円のときにはそれぞれのものになっていくんだと思っておりますので、ある程度ぎくしゃくしたところが出てきております分につきましては、財政健全化債とか地域再生債とか、いろいろな新しい枠の中でそれを柔軟に対応させていただく。
 私どもとしても予想しておりましたところでもありましたので、あらかじめ八千億の用意だけはしておって、それでも足りなくなるであろうという御意見もありますので、その点は拡充、柔軟に使わせていただきたいと思っております。いろいろ御意見、よくわかるところでもありますので、その方向に沿って努力をいたしたいと思っております。

○稲見委員
 削減に対してはいろいろ要素があると。地方税のところが戻ったというふうなことなんですけれども、先ほど資料で見ておりましたら、都道府県税で二千五百六十七億戻ってきているということなんですが、市町村の方がやはり千六十一億の、加えて前年に対する減なんですよね。そうすると、都道府県、市町村合わせて千五百億円増ということですから、前年比で交付税を見ていくということになると、必ずしもそこを十分補てんをされていないんじゃないかという気はいたします。
 それにかかわって、先ほど河合委員の方からも少し御指摘があったわけですが、二月九日に全国知事会、それから二月二十三日に全国市長会から、緊急コメントや緊急要望というのが出ております。少ししつこいようですが、少しだけ、私、思うところをもう一度御紹介させていただきたいと思います。
 知事会の方ですが、地方交付税及び実質的にこれと一体の臨時財政対策費が、突然に前年度比一二%も大幅に削減をされ、平成十六年度の地方公共団体の予算編成にも著しい支障を来しておるという認識、それから「地方財政見通し等の早期公表と地方の意見の反映」というところで、各地方公共団体が予算編成の大詰めを迎えようとしているさなかに、我々の予想をはるかに上回る地方交付税等の削減が行われた、大きな混乱を生じさせるだけではなく、国に対する大きな不信感を招いている、国の財政再建のために地方に負担を押しつけることがあってはならない、こういうふうな御意見でございます。
 全国市長会の方もやはり同じようなところがあるわけですが、各都市の平成十六年度の予算編成において過大な収入不足を招くなど極めて重大な状況、今回一部の国庫補助負担金が廃止をされたが、国の法令等による基準は緩和されておらず、地方の自己決定、自己責任のもと、サービス水準の決定ができないなど地方分権改革が目指す税源移譲と権限移譲が一体的に実現をされていない。こういう意味では、自由度が増しているというふうな認識に全国市長会はない。今回の地方交付税の急激な削減は、最後の税源ともいうべき基金の取り崩しによって対応せざるを得ず、翌年度以降このような状況が続けば、破綻状態に陥る都市自治体が数多く生ずることが懸念される。
 これが地方の側、現場を預かる、まさしく大臣がおっしゃっていた経営者の側の今の認識であるということで、先ほどいただいたお答えと少しやはり雰囲気が違うのかなというふうな気がしております。
 このような地方からの批判、悲鳴の中で、先ほどもありましたように、急遽、地域再生事業債八千億円を超えてもという枠と財政健全化債の弾力的運用というのが政府決定をされておりますけれども、この記者発表を聞いたのが、今申し上げた二つの声明の後だったと思います。
 そういう意味では、三位一体として出された地方財政計画の破綻を、結局この再生事業債というのは明らかにしてしまっているんじゃないか、これだけの財政措置を行うならば、先ほどの基本的な認識に戻ると、税源の移譲として明確にすべきではないか、こういうふうに思っております。
 この点、もう一度大臣の所見をお聞きしたいと思います。
 それともう一つ。来年のことですが、あわせて。
 今の二つの緊急コメントなり緊急要望の後段のところで、地方財政見通し、三位一体の改革の具体的な内容などをできる限り早い段階で明らかにし、地方の意見を十分に反映させること、これが全国知事会でございまして、今後は、市町村の意向を十分反映した上で、できる限り早い段階で内容を明らかにされたいというのが全国市長会の方の要望でございます。
 ことしがいろいろばたばたしたとか、ぎくしゃくしたとかというふうな答弁もあるわけですが、ぜひ今の基本的な認識とともに、来年に向けての大臣の御決意といいますか、努力の方向性を明らかにしていただきたいと思います。

○麻生国務大臣
 今おっしゃられましたように、いろいろ今回は従来と違って大幅な改正が行われたということは事実です。現実問題としては、これは一昨年もほぼ同じ話でスタートいたしましたが、一昨年のときには、後でいろいろ補てんをいたしたり、いろいろ対策を講じたことがありましたものですから、今回も一昨年とほぼ同じ程度ではないかなと思われた首長さんと、去年がああだったからことしはいよいよだなと思われて準備されたところとは、非常に大きく違ったということが一点です。
 二つ目は、やっぱり一昨年は約二兆円の地方税の減が起きましたので、その分だけ、いわゆる交付税が出た。今回は、御存じのように、景気が少し持ち直しておりますので、地方税は、どれくらいかわかりませんけれども、微増するであろうと思われます。国税は間違いなく増になりますが、地方税も同様に微増すると思われますので、その意味からいきますと、その分だけ交付税が減りますので、そういった意味では、交付税が大幅に減るような形になる。
 私どもとしては、あらかじめ予測をしておりましたので、再生債等々八千億のものを用意しておりましたし、昨年の概算の段階からいろいろ申し上げてきたところではありましたけれども、いよいよにならぬとぴんとこられなかったところもあった。これは地域によって差があって、首長さんによって、もうこれは前から決まっておったやないかと言われる首長さんもいらっしゃれば、いきなり聞かされたと言われる方もいらして、実はこれはいろいろなんです。資料はちゃんと出ておりますので、結構対応はしていたと私なりには思っておりますけれども。
 今後、もうちょっとわかりやすく、実際こうなりますよというようなところを、今ホームページ等々、いろいろ出ておりますけれども、あらかじめ、もうちょっときちんとした形で対応していかないといかぬかなという感じがいたしておりますので、大幅な改正に当たっては、いま少し丁寧にわかりやすく、地方の首長にわかるようにさせるよう、努力は今後とも引き続き行っていきたい、また、いかなならぬと思っております。
 何となく、いつものように来た紙かなと思ったら、実はそれは非常に重要だったという話なんだと思います。これは、いや聞いておらぬとか、行っておるとか、いやそんなもの受け取っておらぬとかいう話はもうよくある話でありますけれども、少なくとも、昨年の段階から結構早目に、こうなります、ああなりますということは一応してあったということは、事実だと思っております。
 細目につきましては、瀧野の方から答弁させます。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕

○山口副大臣
 私の方から若干補足をさせていただきたいと思います。
 今大臣からもお話がありましたが、交付税総額等の抑制、これにつきましては、もう先生御存じのとおりで、地方財政、二百兆に余っての赤字、さらには、交付税特会にしても、五十兆に余ってのというふうな、まさに非常事態とも言えるような状況がございました。やはり財政の健全化を進めていただくということは避けられない状況下にございます。各地方公共団体におきましても、健全化に向けてさらなる御努力を賜りたいというふうなことで、今回のような形になったわけであります。
 しかし、確かにお話のとおり、十二月の末にばたばたとなったというふうなお話も実はございます。予算編成が困難な地方団体に対しましては、さらにきめ細かく相談に応じながら、地域再生事業債の枠の拡大とかあるいは財政健全化債の弾力的な運用というふうなことにいたしたわけであります。
 これも実は新聞報道等では、いかにも、例えば自民党の方から言われて再生事業債が出てきたような報道がされておりますが、先ほど大臣もお話がございましたように、やはり激変緩和というふうなことも考えざるを得ないだろう等々さまざまな思いがございまして、若干そうした検討はしておりました。ただ、より使い便利のいいように、より実態に即したようにというふうな形で、今のようなことを考えさせていただいたわけでございます。
 ちなみに、実は先般も私、選挙区ではありませんが、ある地区にお邪魔をして、町長さん、村長さんあるいは議会の皆さん方に話をしてくれというような機会がございました。先週であったんですが、ほとんどの皆さん方がそこら辺の状況を御存じなかったというふうなことで、実はびっくりしたわけでございます。
 そうしたことがないように、しっかり私どもとしても、情報提供もし、さまざまな協議をしながら、十分周知徹底をした上で、支障を来さないように、今後とも努力をさせていただきたいと思っております。

○稲見委員
 来年以降の丁寧な協議、こういうところで、特に大臣からは、どうも、自治体の側の受け皿論といいますか、ぼやっとしている首長の方が悪いんだみたいなところに戻りますので、そこは、先ほどあるように、知事会、市長会も、やはり改革努力の方に向かって自主自立という特色のある自治体をつくっていくという方に向かって努力をしているというふうなことだろうと思いますので、そのことについては、また後ほどのいろんな質問事項の中でお聞きをしたいと思います。
 ただ、今は、新年度の予算案についても、改革をしていく方向が突然出たことによって地方の方できっちり準備をする時間がないというふうな現状なんじゃないかなという気がいたしております。
 それでは、もう一つ、各論に入りまして、国庫補助負担金の削減について、今度、自治体の側が今しっかり努力をしているということを少し申し上げて、大臣の所見をお願いしたいと思います。
 昨年十一月の十八日に、来年度の予算というところに入る前に、全国知事会がいわゆる国庫補助についての対象事業を精査して、細かく一覧表になっているものを私もずっと見せてもらったんですが、これは廃止をしてもいい、これは国の事業として当然やるべきだ、あるいは、これは補助金という形で残すべきだというふうな精査を一つずつした上で、対象となる都道府県への国庫補助負担金十一兆二千億円のうち、廃止をすべき国庫補助負担金八兆九千三百五十七億円、非常に細かいところまで、一項目一項目出して精査をいたしております。そして、この九兆円弱の廃止に対して、税源移譲、移すべき額は七兆九千二百三十四億円、これは地方の自由に使える税源として国から地方に移してほしい、こういうふうにおっしゃっております。
 また、同じ昨年十月に全国市長会の方も、これは、都道府県の補助金、それから市町村の補助金というふうにダブっているところもあると思いますので、これをすべて両方とも足してしまうということにはならないわけですが、市長会としては、制度一般の見直しの中で検討すべき補助金を除いて、対象となる補助金総額八兆五百四十四億円のうち、廃止をすべきもの五兆八千五百五十二億円、税源移譲額は、そのうち四兆九千六百五十二億円、こういうふうなことで提起をしておられます。
 まさに、先ほど大出委員からもありましたように、地方の側から補助金を欲しいという行政ではなしに、補助金を切って自立をしていきたいというふうな思いが強くなってきたということが、この提言の中にも明らかになっているんじゃないかなというふうに思っております。
 そういう意味では、九兆円程度の削減事業のメニューが地方団体から提言されていることを踏まえますならば、総務省あるいは政府としてその実現のために全力を挙げるべきであって、三年間で四兆円の規模と中身については、小さ過ぎるんじゃないか、こういうふうなことを思っております。まだ一年目ということなわけでありますが、考え方を明らかにされたい。
 知事会、市長会など地方団体が具体的に対象事業を明示して、先ほど申し上げました、補助金の廃止の提言をしていることはかつてないことであり、画期的なことだというふうに思っております。この際、一気に補助金のほとんどを廃止し、例えば生活保護費の国庫補助負担金など、ナショナルミニマムの性格の強い国庫補助負担金は除いてこれを廃止し、同時に、地方に税源移譲していく、あるいは民主党が申し上げております一括交付金として交付をする地方分権を推進していくべきだというふうに考えておりますけれども、どうかというふうに思います。
 それと、先ほど補助金のところでありましたけれども、本来、補助金の廃止は地方の裁量の拡大ということで、大臣もおっしゃっているとおり行うべきものでありますけれども、先ほどの地方からの声にありましたように、今回のように補助金の使い道が限定された、地方の自主的な裁量の働く余地のない事業、これの補助金を廃止しても分権は前進をしない、こういうふうに思っております。
 全国知事会、市長会の提言も含めて、ぜひ補助金のこれからの問題、今の一兆円の問題も含めて、大臣の所見をお聞かせいただければと思います。

○麻生国務大臣
 今御指摘ありましたように、最初に政令指定都市の方から昨年の十月にこの提案が出てきて、続いて全国知事会、そして市長会、大体同じような感じで、額はそれぞれ違っておりますけれども、大幅のものが出た。これに対して評価はどうかといえば、画期的なことだと。この点は、革命的とは言いませんけれども、画期的なことだ、私は率直にそう思っております。
 地方の時代というのは、もう長くおられましたのでおわかりのとおり、地方が責任を持ってその地方自治体を経営するということを意味します。地方がその地方の責任で地方を経営するということは、その地方同士で競争が起きる。あっちの市に行くよりうちの市に来た方がいいよという話でありまして、そういった意味では、隣の市ではこれだけ市民税が安いのに、うちの市では何で高いんだとか、いろいろな話が出てくるということ。工場を誘致するに当たっても、うちの市だったらしばらくの間は事業所税をこれだけ減税します等々の自由度がふえるというのは、それはもう決して悪いことではないと思っておりますので、私どもとしては、方向として、そういった自覚が出てこられたということはまことに喜ばしいことだ、基本的にはそう思っております。
 では、しからば、十八兆と言われますが、よく言われる補助金約二十兆円ございますが、その中で、御存じのように社会福祉、介護、医療、保健等々のもので約十兆、厚生労働省所管だけで十兆ありますが、こういったものが一括して全部すぱっとできるかと言われると、ちょっとそれはどうかなという感じがいたします。一括でやるのは少々無責任過ぎやせぬかなという感じが私自身正直な実感でもありますので、そういった意味では、四兆円だけでこれで終わりというんではなくて、今後ともこの種のことは、地方にできるものは地方にという方向で行かせるべきということに関しましては、基本的に私も同じ方向で考えております。

○稲見委員
 私は、できないことはないと思うんです。ここまで地方の側も、それを受けて仕事を自律的にやっていくんだというふうな覚悟のもとに提言をしているわけですから。
 問題は、では、国の側の補助金の振り分けといいますか、仕事がどうなっていくのか、国の統制が地方に対してきくのかどうかというふうな、まさに地方分権に戻っての、そういう議論がむしろ中央の側、政府の側の中でネックになっているんじゃないかなという気はいたしております。しかしながら、四兆円に限らずというふうなことでございますので、ここもぜひ、今の流れをむしろ打ち消すといいますか、水を差さないような形で、総務省としての、大臣としての努力をお願いしておきたいと思います。
 それから、交付税の問題はきょう私は申し上げておらないわけですが、補助金をカットしていく、税源移譲、今は所得譲与税、それに予定交付金というふうになっておるわけですが、ことしの一月の十九日に閣議決定をされました構造改革と経済財政の中期展望、この中の三位一体の実施にかかわりまして、二〇〇六年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲をする、こういうようなことで、この点は何度も大臣も答弁をされているところであります。
 しかし、ここ数年の税源移譲の形、その最後のところまでの形を明確に示して、特に地方を含めて国民的な議論を起こすべきだというふうに考えておりまして、地方への税源移譲のデザインを示すべきではないかというふうに思っております。所得譲与税としては一般財源化されているのは当然の措置であり、一昨日も、きょうも所得税から地方住民税に税源移譲をするというふうに答弁をされておりました。
 昨年の年末の東京新聞で、財務、総務両省では、個人住民税を一〇%にする案におおむね合意した、こういう報道を私も読んでおりまして、都道府県民税が二%、市町村民税が三%、こういうのが一〇%になれば五%分底がふえるわけですから、配分は別にしても三兆四千億円ほどの地方の増収、こういうふうにお聞きをいたしております。ただ、一番高いところで、都道府県、市町村民税、合わせて一三%というところがありますので、比例税率でそれを一〇%に統一をしますと四千億円の減収になる、差し引きで三兆円、こういうようなことになっております。
 四兆円の補助金のカットとこの三兆円の地方住民税の増ということで間尺に合うのかどうかということはありますけれども、それは別にして、そういうふうな報道もありまして、本格的な税源移譲についての考え方をお示しいただければと思います。

○麻生国務大臣
 稲見先生御存じのように、地方住民税というものにつきましては、五%、一〇%、一三%と三段階ありますのはもう御存じのとおりでありまして、人口比でいけば五%が一番多い、一三%は一番少ない。したがいまして、それを一律に一割ということにすると、まず簡単に非常に簡素化する、これはもう非常にはっきりしております。一三%の方の数が少ないわけですから、その分が減って、五%の方がふえて、横に並べますと約三兆円、数字的には合っております。
 私、その東京新聞を読んでおりませんのであれですけれども、今の案としては合っております。流れとしては決して悪い方向だとは思いませんが、ただ、その方向で財務省と合意したかという点につきましては、財務省に聞いたらとんでもないと多分跳び上がるだろうと思うようなところかなという感じはいたします。地方税の方向としては望ましい方向だとは思いますけれども、財務省と合意で大筋を決めてということは、今初めて聞きましたけれども、この大筋を決めるというところには至っておりません。

○稲見委員
 今、新聞の真偽といいますか、財務、総務両省合意をしたかというところだけが質問ではなかったのです。
 今は所得譲与税ということですが、今の地方住民税を含めて、当面の措置をできるだけ早く、もう自主財源として地方税にして渡してしまうというようなことも含めて、これから三年間の中での計画デザインがあるのかどうか。先ほどからの地方の要望などを何度も引用しておりますのはその辺が見えてこないということに対する不安感でもあろうかと思いますので、例えば、少なくとも三年間に向けての税源移譲のデザインがあればお教えいただきたいと思います。
    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕

○麻生国務大臣
 御懸念のとおり、この三年間というのをどうやってやるかというのは非常に大事なところだと思いますが、基本的には、基幹税と言われる住民税、いわゆる人口比できちんとはっきりするそういった基幹税というものにさせていただくというものが一番大事なところで、何となくそうなりますと住民税といわゆる消費税ということになるんだと思います。
 その中では、今消費税は、目的税化する等々、御党でもいろいろ御意見があっておるところのように伺っておりますが、今の状況として申し上げようとするならば、基幹税なら、地方住民税と言われるものを所得税と住民税との配分比率を変えるという基幹税で対応すべきというのが基本的に正しい流れだ、私自身はそう思っておりますし、その方向で事を動かしていきたいと思っております。

○稲見委員
 これから、来年、再来年に向けて補助金の廃止、交付税の問題、それから今の税源移譲、地方とも、あるいは、六団体を含めていろいろなところとも議論をしていただくということですから、今、三年間に向けての税源移譲、所得譲与税でない、当面の措置でない移譲というところで御答弁いただけませんでしたけれども、その辺、今後の地方とのいろいろな議論の中で御検討いただければというふうに思います。
 次に、少し細かくなるんですが、この国庫負担金の廃止にかかわって、公立保育所の運営費の問題について少しお伺いをしたいと思います。
 一兆三百億円の補助金の廃止という中で、厚生労働省、昨年の議論経過にありますように、生活保護負担金をどうするかこうするかというのがあって、最後の段階で公立保育所の運営費千六百六十一億円を所得譲与税として一般財源化をする、こういうふうなことに変わりました。民間保育所はそのまま補助金として残る、こういう状況がこの平成十六年度の現況になるわけであります。
 この千六百六十一億円を含めまして、社会保障費のところでその他の負担金とともに廃止をされた総額が二千四百四十億円というふうにされております。税源移譲が二千百九十八億円、約九割というふうになっておりますけれども、義務的経費については十割ということではなかったかというふうに記憶をいたしておりまして、この九割へ少し目減りしている分、どうしてかという点、お聞かせいただきたいと思います。

○山口副大臣
 お答えをさせていただきます。
 お話のとおり、確かに義務的な事業につきましては所要の全額、そしてその他のものについてはその性格等を勘案して八割程度を目安として移譲するというふうなことにされておるところであります。
 平成十六年度におきましては、この方針に沿いまして、国庫補助負担金について税源移譲等により一般財源化を行っておるところでありますが、このうち、公立保育所運営費など恒久的な一般財源化を行ったもの、これは二千四百四十億円でありますが、全部で実は二十一件ございまして、これらを義務的な事業とその他のものに精査、分類をいたしました。義務的な事業につきましてはその所要の全額、その他のものにつきましてはその性格等を勘案しつつ八割程度を目安として精査した額の合計額が二千百九十八億円、これを所得譲与税として税源移譲したというふうなことでございます。結果として、全体として見れば、御指摘のとおり、九割に相当する額の税源移譲が行われたというふうなことになっております。
 特に、公立保育所の運営費につきましては、職員設置費にかかわる部分はこの全額を、それ以外の事務費等にかかわる部分の八割を税源移譲するということにしたということでこうした形になったわけでございます。

○稲見委員
 何度も総務省なりのヒアリングも受けておりまして、一般財源化をされたところが少し減ったとしても、それは基準財政需要費のところに積んでいるんだから、基準財政収入額との差額で交付税が出てくればそれは大丈夫です、こういうふうなことでお聞きをしておりますので、この二千四百四十と二千百九十八という差のところについては、今度は基準財政需要費のところの問題になるのではないかなというふうには思っております。
 そういう点で、その全額が基準財政需要費に積み込まれているということでありますけれども、社会福祉費のところを見ておりますと、昨年の八千四百七十円に比較してことしが一万一千百円、全体の中で二千六百三十円の増になっております。これで十分なのかということが一点。
 それから、先ほど大出委員からもありましたけれども、交付税算定をする場合、積み上げられております単位費用掛ける測定単位の数値掛ける補正、こういうふうに聞いておりまして、補正も細かく言うと、この社会保障費の関係でいいますと、段階補正、態容補正、密度補正ということになるのではないかというふうに思っております。これはどのように補正を考えておられるのか、この点も明らかにしていただきたいというふうに思います。
 特に、密度補正についてでございますが、これまでの補助金の場合、それで打たれておった場合には、留意、配慮されていた点として、入所の子供数、当然子供数がふえていけばそこでお金も必要になってくるという点、それから入所児童の年齢分布、これは、年長さんになれば保育士一人でたくさんの子供たちを見られますけれども、ゼロ歳児、全くもう産休明けの赤ちゃんについてはつきっきりになるというふうなことでの年齢分布、それに、一部保育料という形で親から負担をいただいておりますので、それは所得階層に応じてその負担金が来るということからいいますとその市町村の親の所得階層の分布、こういうものも収入の側には影響をしてくるということになりますし、民間保育所との関連、つまり、今回公立保育所が一般財源化をされて、民間保育所はそのまま厚生労働省の補助金ということですから、十カ所の保育所がその市町村にあったとしても、そのうち公立が何軒あって民間が何軒あるのかということともこの負担割合の関係も含めて関連をしてまいります。
 こういう要素がこの密度補正の中で、特にことし、初めて総務省管轄でこれを進めていただくわけですから、この点が十分に要素として含まれているのかどうか、こういうふうなことでお聞きをいたしたいと思います。
 それからもう一つ、基準財政需要費について、一万一千百円という総額が明示をされておりますが、この公立保育所の運営費というふうにかかわりますと児童措置費ということになるかと思います。その限定をしての単位費用が幾らになるのかということについて教えていただきたいと思います。ここに、小さな表ですが、これは五月ぐらいになりますと「地方交付税制度解説(単位費用篇)」ということで、それぞれの項目ごとに出てくる一覧表でございますが、その児童措置費のところがことしどういうふうに、単位費用は幾らになっているのかということをお聞きしたいと思います。
 それから、これは当然ながら交付金ですから、その場合はいろいろな算式が出て、そして市町村からのそれの提出を受けて交付税を決めていくということになるわけですけれども、新たな制度になったということ、一年目ということでいいますと、現場の不安を少し解消するには、総務省として、昨年の厚生労働省の公立保育所に補助金として行っていたものと遜色のないものがことし交付金という形で保障されるのかどうかというふうなことについてもお聞きをしたいと思います。

○瀧野政府参考人
 公立保育所の運営費の関係で何点か御質問がありましたので、お答えいたします。
 まず、単位費用が今回一万一千百円ということであるけれども、それで十分なのかという御質問でございました。
 単位費用につきましては、標準的な行政を行うのに必要な一般財源所要額として、各測定単位当たりの費用を算定するものでございます。我々といたしましては、今回の単位費用につきまして、公立保育所運営費負担金の一般財源化によります所要の経費全額を算入するということといたしておるわけでございまして、この他標準的な財政需要を適切に算入した結果、この一万一千百円ということで、前年度比三一%増と大幅に増加させている、これで十分対応できるというふうに考えております。
 それから、公立保育所の運営費についての補正でございますが、御指摘のように、社会福祉費にこの公立保育所運営費が算定されるわけでございますが、測定単位は人口、それから補正係数としては、段階補正、態容補正、密度補正というものを適用しております。
 保育所の経費につきましては、各団体の基準財政需要額が測定単位でございます人口には必ずしも比例しないということが当然あるわけでございますので、保育所の入所児童数を基礎とした密度補正を現在も適用しております。
 平成十六年度におきましては、運営費につきまして、一般財源化が公立保育所についてされるということでございますので、この公立保育所に係ります密度補正による算入単価を大幅に引き上げるということで対応していきたいというふうに考えております。
 その場合に、密度補正につきまして、国庫補助負担金におきましては、いろいろな要素を加味しているではないか、その点についてはどうなのかという御指摘でございます。
 御案内のように、交付税は標準的な財政需要を算定するものでございますので、国庫補助負担金のようにきめ細かくというわけにはいかないということは御理解いただきたいというふうに思います。
 しかしながら、平成十六年度の保育所に係ります経費の算入につきましては、まず、これまでと同様に、入所児童数を指標とした密度補正を適用する、ここは堅持していきたいと思っておりますし、それから、児童一人当たりの単価につきましては、公立と私立が区別されることになりますので、私立保育所と公立保育所の入所児童数を分別いたしまして、公立保育所の一般財源化によります地方団体の負担の増加を適切に反映していきたいというふうに考えております。
 具体的には、前年度のこの地方公共団体の支弁額、支出額とそれから保育料の徴収額、この差額を適切に反映させるというようなことをいたしますと、間接的ではございますけれども、御指摘のようないろいろな事情も反映してくるというふうにも考えておるところでございます。
 それから最後に、児童措置費についてどういうことになるのかということでございますが、児童措置費の十六年度の単位費用につきましては、市町村部分につきまして、四千百四十円ということになってございます。
 その場合に、これでどういうことになるかということでございますけれども、一般市町村であれば、当該団体の公立保育所に係ります国庫負担金、従来の国庫負担金と県負担金との合算額に相当する額がおおむね基準財政需要額に上乗せされるというふうに考えていただいて大差ないというふうに考えておりますので、そのように対応していただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○稲見委員
 今の段階での全体の姿は明らかでないんですが、これから、市町村からの交付税の請求、算定、そういう中で、この公立保育所の運営費の問題については、後もいろいろ、私も数字を含めて検証させていただきたいと思います。
 時間が参りましたので終了いたします。初質問としては、ちょうど五十分で終わることができました。皆さんの御協力、ありがとうございました。



元へ戻る







 い な み 哲 男 の 会 議 録 元へ戻る