| No. | 会 議 名 | 号 数 | 開 催 日 | タ イ ト ル | ||||||
| 004 | 衆議院 総務委員会 |
第159回第15号 | 2004.04.22 | 市町村合併に関する諸法案について | ||||||
第15号 平成16年4月22日(木曜日) 平成十六年四月二十二日(木曜日) 午後二時二十分開議 出席委員 委員長 佐田玄一郎君 理事 左藤 章君 理事 佐藤 勉君 理事 滝 実君 理事 野田 聖子君 理事 松崎 公昭君 理事 松野 頼久君 理事 桝屋 敬悟君 今井 宏君 岩崎 忠夫君 岡本 芳郎君 奥野 信亮君 亀井 久興君 小西 理君 田中 英夫君 谷 公一君 谷本 龍哉君 萩生田光一君 松本 純君 三ッ矢憲生君 宮下 一郎君 山際大志郎君 山下 貴史君 泉 健太君 稲見 哲男君 大出 彰君 川端 達夫君 岸本 健君 須藤 浩君 田嶋 要君 高井 美穂君 辻 惠君 寺田 学君 中村 哲治君 西村智奈美君 山花 郁夫君 若井 康彦君 若泉 征三君 河合 正智君 長沢 広明君 塩川 鉄也君 吉井 英勝君 横光 克彦君 ………………………………… 総務大臣 麻生 太郎君 総務副大臣 山口 俊一君 総務大臣政務官 小西 理君 総務大臣政務官 松本 純君 政府参考人 (総務省大臣官房総括審議官) 大野 慎一君 政府参考人 (総務省自治行政局長) 畠中誠二郎君 総務委員会専門員 石田 俊彦君 ――――――――――――― ○佐田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲見哲男君。 ○稲見委員 民主党の稲見哲男です。 総務大臣に、今さらということかもしれませんが、市町村合併についての基本認識をお聞きしたいというふうに思います。 私は、二月に議論になった三位一体改革と密接に関連している、こういうふうに思っております。交付税、補助金、臨時財政対策債のカット、税源移譲と相殺しても、三兆五千億円近い財源が地方で減った、こういう事実。地方から財政再建路線に急速に進んでいる中で、行政経費の削減のために市町村合併というのが言われているのではないか。新法の中に幾つかの仕組みが新設をされておりますけれども、現場では、進むも地獄とどまるも地獄、こういう感を呈しております。 国における強制合併の意図があるのではないかというふうに考えますけれども、自主的な合併を担保しているというふうなことについて、総務大臣の所見をお伺いしたいと思います。 ○麻生国務大臣 稲見議員の御指摘のところですけれども、基本的には、今回の三位一体の話というのは、よく申し上げますように、質的な話と量的な話と二つあると思っております。 質的な部分につきましては、国税というものが地方税に曲がりなりにも移り、そして三年後を目指して地方税というものに完全に、いわゆる住民税に移行していくという確実なものにしたというのは大きかったと思っております。そういったものと、傍ら、累積約二百四兆円、地方交付税だけで約五十四兆というものを減らしていかねばならぬという部分と、この二つが一緒に来ておりますので、何となく金目の話にどんと目が行っておるというのは、御指摘のような感じをとられているというのは否めない事実だと思っております。 ただ、基本的には、中央集権というもので、廃藩置県、明治四年この方やってきたこの国の制度というものを、地域主権、地方分権というものに変えていこうというのが本来の趣旨であります。そういったことをやっていきますと、地方自治体間でいい意味で競争が起きる。例えば企業誘致にしても住民をふやすにしても、少子高齢化に合わせて、住民が、企業が、工場が我が市にというような感じのことになるような、地方が自由にできる、地方が自由裁量でできるという意味で、それを裏づける財源等々を含めて、地方自治体の基礎が強くなるというのが本来の趣旨であります。 平成十八年度までの三年間に、よく言われます四兆円の補助金、それにかわります財源の移譲ということが基本的な考え方だと思っておりますので、基本的には、初年度、二年度、いろいろでこぼこがあろうかと思いますが、三年間できちんとした形につくり上げたいと思っております。 ○稲見委員 後段の、自主的な合併というのが担保されているのかということについて回答がなかったんですが、改めて、少し御質問をした上で御回答いただきたいと思います。 私は、今総務大臣からもありましたように、地方分権推進の担い手たる自治体、これを合併の中でどうつくっていくのかというふうなことが一番重要ではないかと思っております。 現場での経験を少し御紹介しますと、私は、政令市ですから合併というのは経験はございません。ただ、中心区を中心に人口減による合区というのを八九年に経験いたしました。大阪駅、キタの新地があります北区と淀川に面しました大淀区、これが新しい北区に合区をされた。また、道修町、船場、本社機能の非常に大きい東区と、心斎橋、難波、ミナミの繁華街の南区が合区をして中央区になった。これは恐らく神戸市中央区以来の全国的にもない経験だというふうに思います。 三年ほどかかりましたけれども、区役所というのは現場で、法令、政省令、事務処理要綱、決まった形での仕事をしているはずなんですが、それぞれの区役所というのは本当に仕事の流れを含めてばらばらだ。それを突き合わせていくということになりますと、極端な話、赤ボールペンを持つのか黒ボールペンを持つのかというところまで声の大きさでどっちかに決めていかなければならない、こういうことでございました。 また、これは合区ではございませんが、大阪市の市民病院、百五十床から二百五十床の病院五つを統合しまして千床の病院をつくる、こういうこともありました。このときも、やはりお医者さんを中心に病院というのは動いておりますから、京大系、阪大系、大阪市大系、それぞれ病院ごとにカルテの内容も様式も違うというふうなところ、あるいは、看護師さんが帽子をかぶるのかかぶらないのかというようなことまで議論になる。 まさに組織というのは人ですから、そこで人間関係をつくっていって、仕事をつくっていって、そして庁舎もつくるということは、すべて、そういう合区であるとか病院の統合というようなところでございます。恐らく、中央省庁の場合は、違う部署と違う部署が線引き、枠組みの中で中央省庁の再編というのがあったでしょうから、仕事を一つに合わせていくということはなかったんじゃないかというふうに思っております。 市町村の合併というのは、恐らく、いろいろな歴史的な違いというものも含めて、仕事の流れ、仕事の内容、そして人間関係、組織、機構をすべて一からつくっていくというふうなことになろうかと思っております。そういう意味では、そこにつぎ込むエネルギーというものは非常に大変なものがあるというふうに、現場から考えますと察することができると思っております。 しからば、先ほどの話に戻りまして、地方分権の担い手たる自治体ということを中心に考えるのであれば、財政再建を含めて、自主的、自立的な自治体づくりをどうしていくのかというのが目的であって、合併というのはその中の一つの手段、自治体なり住民の選択肢の一つだ、こういうふうに考えられるんじゃないかなというふうに思います。 福島県の矢祭町や、あるいは北海道のニセコ、そこは小さい自治体ですけれども、役所も変わり、住民も変わり、意識変革の中で、いわゆる自立した自治体としてやっていけるんだという判断をして合併はしないというふうなことをおっしゃっている。そうするならば、そういう施策あるいは職員の意識変革を含めたところにエネルギーを費やすのか、合併というところに費やすのかということの違いになってくるんじゃないかなというふうに思っております。 そういう意味では、先ほど御回答がなかった点ですが、指針、合併推進審議会、構想の策定、協議会設置の勧告、あるいは報告の徴収、あっせん及び調停、協議の推進に関する勧告、こういう仕組みが今回新法の方で盛り込まれているわけです。今、国と地方の関係は、上下主従の関係から対等平等ということですから、上意下達というふうには言いませんけれども、今申し上げたのは、少なくとも、都道府県を含めて一方通行になっているという意味では、やはり強制合併というふうな趣が強いんじゃないか、こういうふうに思っております。その点、ぜひお聞きをしたいと思います。 そういう点で、まず自主的な合併というのを担保するという意味で、一つは、総務大臣が策定をされる基本指針でございますけれども、基本指針について、「構想を定めるに当たりよるべき基準」、こういうものが書かれております。 一昨日も少し議論になりましたけれども、よるべき基準というふうな文言が使われておりますのは、戸籍法や公選法など、法定受託事務に関する処理基準ということに限られていると思います。どういう基準を考えておられるのか。また、自治事務の中でよるべき基準という法律があるのか。それと、一昨日も出ましたが、この基準の中に人口要件を入れるのか、人口要件を入れるのであれば、自主的合併の趣旨に反するんではないかというふうに思いますので、この基本指針についてまずお伺いをしたいと思います。 ○麻生国務大臣 今、稲見委員のおっしゃいました最初のところの部分から言えば、合併はあくまでも目的ではありません。合併は手段であって目的ではないということははっきりいたしておると思っております。 その上で、合併をするかしないかということに関しましても、これはかかってその市町村の首長さんの判断であり、住民の意思ということもこれまたはっきりいたしております。 それに当たって、私どもは行政サービスをいろいろ考えますので、そういった意味から、ある程度の規模がないと。例えば五千人ぐらいの町でありますと、一人当たりにかかります行政コストは約百三万円になっております。一万人を超しますと、それが約五十万円、四十七、八万になると思いますので、行政コストが半分。さらに、二万を超しますと三十万台ということになって、四十万前後ぐらいに下がると思いますので、その地域において、それを下回るようにいろいろ行政改革をされる、いろいろなやり方もあろうかと思います。 そういった意味では、かかって地方の最終判断は住民であり、そこの町議会でありということになろうと思っております。 今回の指針の中につきましては、私どもは、そういう意味から一万人ということを書かせていただいていきますが、よくこれを法律で書いていないではないか、法律で書けという御意見もありましたが、各町村長会からも、法律に書くのはよろしゅうないと。法律に書くというのは、私ども、法律というのは、書いた人間より、実行するのはその後の人間なものですから、その後の人は書いた紙どおりにやりますので、もう九千九百九十人でもだめみたいな話になるのは非常によろしくないと思っておりますので、おおむね一万人というのを指針として書かせていただこうと思っておりますのはそういう背景であります。 中には、御存じのように、大阪はちょっと違いますけれども、離島とかそういったところは、合併を本人はしたくてもしてくれる相手がおらぬとか、また、山村の上の方に行くと、とてもじゃないけれどもあれをもらったらたまらぬとか、いろいろな意味で、本人の意思があっても合併をできないところもありましょうし、いろいろな地理的条件とか地域格差は歴然としておると思っております。 したがいまして、私どもは、人口おおむね一万を目安というような感じにしておりますし、また地理的条件というものも考えてやらないと、画一的になるというのは甚だ危険なことにもなると思っておりますので、そういったことを記述するようにいたしたいと思っておるということを申し述べ、細目は大野の方から答弁させます。 ○大野政府参考人 自治事務につきましても、必要な基準を定めるということは可能でございます。 そこで、新しい法案の五十八条になるわけでございますが、基本指針につきましては、先ほど大臣が申し上げましたように、構想対象市町村などの要件を定めてまいりたい、こう思っております。新法の五十八条の第三項に、基本指針を定めたり変更いたします場合にはこれを公表しなければならない、こういう規定がございまして、私どもは、形式的には告示という形で公表をいたしたい、こう思っております。 そういった形で基準を示すということであれば、自治事務についても基準を定めることは可能である、このようにされているところでございます。 ○稲見委員 この基本指針なんですけれども、さっき言いました、都道府県を含めての流れ、そこの中で、やはり指針が出発点だと思うんですよね。 もう一度こだわりますが、やはり自主的合併ということであれば、あえて指針の中で、おおむね一万人という要件は外した方がいいんじゃないか。むしろ、一万人というのを入れれば、結局は町村についてはすべて合併の対象というふうな都道府県の構想をつくっていくという流れになっていき、それは合併協議会の設置の勧告を含めて順番に、そこに強制力を働かせて物事が進んでいくんじゃないかというふうに思っておりますので、そういう意味では、この一万人という基準についてもう一度再考いただければなというふうに思っております。 それから、自治事務でも必要な基準を定めることができるということでございましたけれども、五つの法律の中に、法定受託事務としてこのよるべき基準というのが使われているというふうに私は考えているんですが、自治事務としてよるべき基準というものを今回の合併特例法以外に使っている法律があれば、その点ちょっと教えていただきたいと思います。 ○大野政府参考人 まず、基本指針を定めます場合に、都道府県に構想をつくっていただくためのよるべき基準というものが基本指針にうたわれるわけでございます。 この構想の中で、合併の対象市町村というものを、都道府県がそのときの事情、つまり、今合併を一生懸命やっているものですから、これがある程度現行法でどうなるかというのが見えてくるわけでございますが、その後の構想の対象市町村の多くは、まずは生活圏域を一緒にするような、そういったところを対象にして市町村を想定するということが一点ございます。 それから、大阪市もそうでございますけれども、政令市になろう、あるいは中核市でありましたり特例市を目指す、こういうふうな考え方で合併をしたいというところもあるわけでございますので、そういったところも構想の対象の市町村になるわけでございますね。 それから、先ほど大臣が申し上げましたように、現行合併協議が進んでおりますが、そういう中で、場合によれば離脱をされたり、まあ残るところも出てくると思いますけれども、そういったところを、人口一万人というものを一つの目安にして、さまざまな条件はありますが、外洋離島でありますとか、一応現在の合併協議が終わって、例えば五千と四千が一緒になって九千人になってしまった、九千人になったというのは一応合併で終わっているわけですから、それを含めてまた合併構想を描くということは多分なかろうと思いますね。 そういった諸条件を勘案した形で構想市町村が選ばれるわけでございますが、その場合の目安というものがおおむね一万人だ、そういった意味合いでございます。 そこで次に、この指針の問題でございますけれども、いろいろな国の法律があるわけでございますけれども、その中で、都道府県が、国が定めます基本指針に基づきまして計画を策定する、こういうふうな法律の規定になっているものがあるわけでございます。例えば、湖沼の水質保全計画をつくるとか、あるいは公害関係の、窒素の削減計画をつくるとか、そういった場合に、国が基本指針を示しまして、これは自治事務でありますけれども、計画策定を都道府県が行う、こういう構造になっている法律は相当数あるわけでございます。 ○稲見委員 そうしたら、次の項目を質問する中で、自主的合併ということについてまたお聞きをしていきたいと思います。 次は、市町村の合併推進構想というところでございますが、これも、第一条で自主的合併ということが定められながら、都道府県が合併構想策定を行うというのは矛盾しているのではないかというふうに考えております。 そうしますと、具体にお聞きをしますが、自治事務として、都道府県が構想を策定しないことができるというふうに考えますけれども、その場合、国はどうされるのかという点。それから、構想は策定をした、しかし、市町村がこの構想と異なる組み合わせによって市町村合併を進める、こういうことがあり得ると思うんですが、それは可能なのかという点。これが構想についてであります。 それから、合併推進審議会について具体的にお聞きをしますけれども、この合併推進審議会、どのような構成を考えておられるのか。特に、審議会の意見を聞くとされておりますけれども、その場合、何よりも住民なり当該自治体の意思こそが重要である、こういうふうに思っております。住民や当該自治体の意思確認、意見集約の手続が配慮されているのかどうか、その点お聞きをしたいと思います。 特に、その後の合併協議会設置の勧告のときには、あらかじめ当該構想市町村の意見を聞かなければならないという条文になっております。そういう意味で、その点が、この審議会の中では、そういう当該の市町村なり住民の意見を聞くというところが見受けられませんので、その点の配慮をどうされているのかという点についてお聞きをしたいと思います。 それから次に、合併協議会設置の勧告、これも自治事務として、行わないことも可能か。都道府県が審議会の意見を聞いても、合併協議会設置の勧告を行わないことは可能か。また、設置の勧告を行わなかった場合、国から何らかの関与があるのか。この点についてお聞きをしたいというふうに思います。 それから、同じくこの合併協議会の関係ですが、合併協議会の勧告を受けた場合に、その市町村長は議会に付議をしなければならない、こういうふうに今回なっております。これは一昨日もございましたが、いわゆる地方自治法八条の二の都道府県の廃置分合、このことについても、法定受託事務でありながら議会への付議あるいは市町村の対応が義務づけられておらないということですので、自治事務としてありながら市町村への付議というのは極めて強い強制になっているのではないかということについて、御見解をお伺いしたいというふうに思います。 それから、協議が調わないときの調停、あっせんですが、この場合、どういうケースが想定をされるのか。役場の位置とか、あるいは議員数とかというようなこともありましょうが、例えば、その中に市町村の組み合わせというのが入っているのかどうか。これは、組み合わせが入っているとしますと、構想の策定に関する市町村合併推進審議会の委員がこのあっせん・調停委員になるということですから、みずからが組み合わせを決めた委員が組み合わせについてあっせん、調停に入るというのは少し矛盾をしているのじゃないか、こういうふうに思いますので、この点、ぜひ大臣ないしは政務官の方からお答えいただきたいと思います。 ○麻生国務大臣 たくさん質問がございましたので、審議会の構成員につきましての答弁の方を私の方からさせていただき、残余の質問を松本政務官の方から答弁させます。 合併新法の六十条の第三項になりましょうか、「市町村合併推進審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。」というようにいたしております。 したがいまして、市町村合併の審議会の組織及び構成員につきましては、基本的には都道府県で条例で定めるということにいたしておりますので、その構成員につきましては、基本的には都道府県等々で実情に応じて選択をしていただく、判断をしていただくということになろうと思います。 具体的には、市町村合併推進審議会の構成員につきましては、通常でしたら、学識経験者とか、町長会とか村長会とかいろいろありますので、そういったところの代表者の方々とか、ほかでしたら商工会、商工会議所の代表とか住民団体の代表などというところが構成員として想定されるところかなと思っております。 以上です。 ○松本大臣政務官 稲見委員の御質問にお答えする前に、まことに恐縮でございますが、過日の私の答弁を訂正させていただきたく、お願いを申し上げます。 一昨日、二十日の当総務委員会で松崎委員から政治資金についての御質問がございましたが、事前通告を受けていなかったため、記憶の範囲で、日本歯科医師連盟からの献金がない旨のお答えをさせていただきました。 その後、直ちに調査した結果、平成十二年度分の政治資金収支報告書に、日本歯科医師連盟より五十万円の献金があり、適正に処理されていることを確認いたしましたので、御報告をさせていただき、過日の答弁を訂正させていただきたいと存じます。 それでは、稲見委員からの御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、一つ目でありますが、自主的な市町村合併と第一条で定められていながら都道府県が合併構想策定を行うというのは矛盾しているのではないかという御質問であります。 もとより都道府県は、市町村を包括する広域的な地方公共団体として、地域全体の発展や住民生活の水準を維持し、確保していくという観点から、自主的な市町村の合併につきましても、地域の事情に応じた適切な役割を担っていく必要があると思います。合併新法におきましても、引き続き、都道府県は自主的な市町村合併の推進に関して必要な措置を行うことが期待をされておるところであります。 そのため、都道府県が、総務大臣が定める基本指針に基づき構想を策定し、当該構想に基づき、都道府県知事が必要に応じて合併協議会設置の勧告、あっせん等の措置を講じることができる規定の整備を行うことで、自主的な市町村の合併を推進しようとするものであります。 いずれにいたしましても、最終的に合併をするか否かについては、市町村の自主的な判断によるものであり、政府として強制的に市町村を合併させるという意図は持っていないところでございます。 次の質問でございますが、自治事務として、都道府県が構想を策定しないことができると考えるが、その場合、国はどうするのかとの質問でございます。 都道府県が構想を策定する事務は、自治事務でありますが、この構想は総務大臣が定める基本指針に基づき策定するものとするとされているところでございます。仮に都道府県が構想を策定するべきであるのに策定しない場合においても、この事務は自治事務であるため、総務省として構想の策定に関する代執行は行うことができず、強制はできないところでございます。 総務省としては、構想を策定すべき都道府県に対しては、構想を策定するよう粘り強く求めてまいる所存でございます。 次に、自治事務であれば、構想の作成を義務づけるべきではないかとの御質問でございます。 地方分権推進委員会第一次勧告におきまして、自治事務については法律に定めのあるものと法律に定めのないものがあり、法律に定めのある自治事務については、その実施が地方公共団体に義務づけられているものと任意のものがあると整理をされているところでございます。 すなわち、構想が自治事務であることから、構想の作成を義務づけることができないというものではなく、法律に基づき自治事務の処理を義務づけることは当然可能であるところと考えております。 次の御質問でございますが、合併協議会設置の勧告を行わないことも可能か、また、設置の勧告を行わなかった場合、国から何らかの関与がされるかという御質問でございます。 都道府県は、市町村の合併に関する協議を推進することを主な目的として構想を策定するところでございます。また、構想に位置づけられ、いまだ合併協議会を設置していない市町村に対しましては、都道府県知事が合併協議会設置の勧告を行うことができることとされているところでございます。 総務省としては、都道府県知事が合併協議会設置の勧告を積極的に行うことを期待しているところでありますが、この勧告は自治事務であり、総務省として勧告に対する代執行は行うことができず、強制することはできないところであります。 次の御質問です。都道府県知事から合併協議会設置の勧告を受けた場合、合併市町村長は議会に付議しなければならなくなる、合併協議会設置勧告を受けたら議会に付議しなければならないというのは強制力が重くなっているのではないか、なぜ議会付議を義務づけているのかとの御質問でございます。 合併新法におきます合併協議会設置の勧告は、勧告を受けた市町村長が合併協議会の設置協議について議会に付議し、議会が合併協議会設置協議について否決した場合には、住民が六分の一以上の有権者の署名により、または市町村長が住民投票を請求することができることとしているところでございまして、これは、都道府県知事が合併新法に規定する構想に基づき合併協議会設置の勧告を行う場合には、現行の合併特例法第四条の二に規定する住民発議、これは有権者の五十分の一の連署が必要でございますが、これと同等の法的効果を与えることが必要であると考えて設けた制度でございます。 したがって、合併協議会そのものを設置することを法的に義務づけているものではありませんで、都道府県知事が市町村に対して直接住民投票を行うことを求めるものでもございません。合併そのものの住民投票を行うものではない。こういったことから、市町村合併を強制するものではないという理解をさせていただきたいと思います。 なお、その他の御質問につきましては、大野総括より答弁をさせます。 ○大野政府参考人 地方公共団体が都道府県が定めます構想の組み合わせと違った形で合併を進めることも、これはもとより可能でございます。それを制約するものではないわけでございますが、せっかく構想をつくられる、あるいはつくられたわけでございますので、組み合わせが変わる、あるいは変わった方がいい、こういうふうに自治体がお考えになるのであれば、よくよく都道府県と市町村が御相談いただきまして、構想の組み合わせそのものを修正されるのが適当ではないか、このように思っております。 そこで、協議が調わない、こういった問題が出た場合のあっせん、調停、これは合併調整委員が行うわけでございますけれども、合併調整委員につきましては市町村の合併推進審議会から任命するというふうに考えておりますゆえんは、まずは、構想を策定するときに市町村合併推進審議会にかけるわけでございますので、合併の事情をこの審議会の委員が十分承知をしているということでありますので、そういう方を合併調整委員に任命した上であっせん、調停をしていただいた方が有効に機能するのではないか、こういった考え方でございます。 そこで、合併調整委員があっせん、調停する対象として組み合わせまで入るのかどうか、こういうお尋ねがございました。 新法には、六十三条にありますように、難航する課題として、合併市町村の名前をどうするかとか、あるいは本庁事務所の所在地をどうするか、こういったことがあるものですから、これを明記させていただいておりますけれども、いろいろほかにもあり得るわけでございまして、合併の期日でありますとか、あるいは合併の方式でございますね、新設合併であるとか編入合併であるとか、こういったことなども想定をされるわけでございまして、こういったことは当然あっせん、調停の対象になるわけでございます。 組み合わせにつきましては、そもそも、あっせん、調停というのは、六十三条を読んでいただくとよくおわかりだと思いますけれども、あらかじめ構想の中で組み合わせがあるわけでございまして、この組み合わせに基づいて合併協議会ができているわけですね。そこで問題になったことをあくまでも申請によって、申請がなければあっせん、調停しないわけです。申請主義でございますね。そうしますと、組み合わせがあって、それで法定協議会ができているわけですから、そこから組み合わせの別なパターンについて申請をするということは、それはあり得ないというふうに思います。 そういった意味では、組み合わせそのものがおかしいから協議会から申請されるという事態はまずないものというふうに考えております。 ○稲見委員 付議にかかわっては、私は住民投票のことなんて聞いてないんですよ。法定受託事務でも付議されてないのに、自治事務でなぜ付議というふうなところの強制力を働かすのかというところに限って聞いているんです。 こちらの質問を再度読み上げられて答えるということですごく時間をとっておりますので、その辺はちょっと問題じゃないかと思います。 それから、もう一つは、先ほど政治資金についての訂正発言がありました。 訂正発言をするのであれば、まず一番最初に委員長に発言を求めて、きょうの委員会の冒頭で訂正をするのが当たり前じゃないかというふうに思います。質問の中でたまたま自分が立ったから訂正をする、議事録についても私の質問なり答弁の中で扱われるというのは、そういうものかというふうに思いますので、おっしゃった意味は、訂正ですし、こちらも非常に重大な問題だと思いますので、議事録の扱いとしては、委員長なり理事会の方で少し取り扱いを変えていただきたい。こういう質疑の中で訂正の議事録扱いをしてもらいたくないというふうに思います。 ちょっと時間がそういうことで過ぎてしまいましたので、少し細かい点については後の皆さんの、特に合併特例区であるとか自治区であるとか、その点、たくさん質問したいことがあったんですが、それは少し飛ばします。 その上で、合併特例区協議会と地域自治区、ここで一つだけ御質問をしますが、ここの協議会の委員について、特例区協議会は、住所を有する、被選挙権を有する者、こういうふうになっております。それから、地域協議会においては、区域内に住所を有する者ということで、いずれにしても被選挙権があるか住民票があるかということで、住所を有する者になっております。 その場合、これまで行政にいろいろ協力して町づくりをやってまいりました、例えば商店主、あるいは料理飲食業などの同業組合、あるいは三師会と言われる医師会や歯科医師会、薬剤師会、商工会、各種団体、そういうものの長でそこに住所を持っておられない方というのはたくさんおられるわけです。そういう場合、これは合併特例区協議会あるいは地域協議会の構成員になることができないのか。こういうふうなことについて、少しそれは実情と違っているんではないかということ。 それから、一昨日もありましたが、そういう場合、NPOの人たち、一生懸命頑張っている人たちを対象にするのかどうか。それに、地域に定着をした在日外国人の方。これは、住所を有する者あるいは被選挙権を有する者というふうにしますと、全くそういう地域社会から排除されてしまうということについてどうお考えなのか。その点をお聞きしたいと思います。 ○大野政府参考人 ただいまのお尋ねの中で、まず、合併特例区の協議会の方について先に申し上げますと、この合併特例区の協議会は、合併特例区の予算につきます同意権があるということでございますね。そうしたことから、この協議会の構成員の資格でございますが、当然住所を有するということは要件になるわけでございますが、さらに被選挙権を必要としているということでございます。したがいまして、外国人を選任することは、合併特例区協議会についてはできないということでございます。 それから次に、地域協議会でございます。地域協議会は、構成員の資格としては、法律上は単に「地域自治区の区域内に住所を有する者」としか書いてございません。これは、地域自治区というものがどういうものかといいますと、その区域に関するさまざまなことを住民と行政が協働でやるとか、そういったことになっておりますので、住所を有しておりさえすればそこは構わないということでございますので、今御指摘の外国人が排除されるということはないわけでございます。 それから、商店会長であったとしましても、住所を有しておれば当然いいわけですね。ですから、地域自治区について言うならば、地域協議会の構成員の方は住所を有しておればいいということですから、ほかの要件は一切ありません。商店主であっても、それはその住民であれば一向に構わないわけでございますし、歯科医師会とかそういったいろいろな会長さんであっても、住所を有していなければこれはだめだということでございます。(稲見委員「市外に住んでいたらだめですか」と呼ぶ) だめですね。それは、法律上そういうふうに書かせていただいたゆえんは、今言いましたように、地域に関することをいろいろやっていただくということでございますので、そういう趣旨でございます。 ○稲見委員 時間が来ましたので、終わりますが、ただ、自主的合併というところがやはり一番大事なところですので、この新法はどうしてもいろいろな仕組みが、強制力が働くような気がしてなりません。その辺を、後ほどの議論もありましょうけれども、総務大臣としてもぜひ御認識をいただきたいと思います。 それから、地域の協議会、私は、住所を有していなくても、いろいろ行政に対して協力をし、いろいろ町づくりなんかで実際にやっておられるわけですよ。それを、市外居住者だという形だけで切ってしまうというのはどうか、実情に合わないんじゃないかと思います。 終わります。 ○佐田委員長 短目にお願いします。時間が来ておりますので。 ○大野政府参考人 今の私の答弁で少し誤解を招きましたので。 法人に関しましては、その主たる事務所が区域内にあれば、それは法人の代表者の方も構成員になれるということでございます。 |
||
| い な み 哲 男 の 会 議 録 | (元へ戻る) |