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006  衆議院 憲法調査会小委員会
 
第159回第4号  2004.05.20  統治機構のあり方に関する件(中央政府と地方政府の権限のあり方)




第4号 平成16年5月20日(木曜日)

平成十六年五月二十日(木曜日)
    午前九時二分開議
 出席小委員
   小委員長 鈴木 克昌君
      近藤 基彦君    永岡 洋治君
      西野あきら君    野田  毅君
      二田 孝治君    森山 眞弓君
      
稲見 哲男君    玄葉光一郎君
      辻   惠君    増子 輝彦君
      斉藤 鉄夫君    山口 富男君
      照屋 寛徳君
    …………………………………
   憲法調査会会長      中山 太郎君
   憲法調査会会長代理    仙谷 由人君
   参考人
   ((財)地方自治総合研究所理事・主任研究員)   辻山 幸宣君
   衆議院憲法調査会事務局長 内田 正文君
    ―――――――――――――


鈴木小委員長 次に、稲見哲男君

稲見小委員 大変お世話になっている先生ですので、私の基本認識も少し述べながら、お考えをお聞きしたいと思います。
 朝のお話で、憲法規定の不備が地方自治の発展を阻害しているものではない、法令、税財政あるいは行政統制が地方分権の推進を阻害している、憲法改正によらずとも、法令なり税財政制度などの変更によって分権推進が可能、こういうふうな御認識であったと思います。私も確かにそう思います。
 しかし、その後、先生の方からもありましたように、地方分権推進委員会の勧告に基づく分権推進計画、分権推進一括法により一定の前進があったわけですけれども、第三の改革と言うにふさわしい画期的な分権改革とはなっていない、こういうふうに感じております。機関委任事務の制度は廃絶されたが、その実質と思想は劇的には変わっておらない、こういうことだろうと思います。
 二十一世紀臨調、新しい日本をつくる国民会議の皆さんが、問題の先送りを続けている日本はゆでガエル状態だ、このようなこともおっしゃっているわけですが、分権推進のための法制度の再編を分権革命として促進していくことが必要なのではないか、こういうふうな認識でございます。
 そのことで、他の皆さんからもあったかと思いますが、地方自治基本法の制定にかかわって、少しお伺いをしたいと思います。
 私も、自治基本条例の制定運動を全国的に拡大していく、このためには地方自治基本法の制定が重要だというふうに考えます。自治体が、国法の実施ではなくて住民の意思に基づいて条例により自治を行う、これが自治体の責務であろうかというふうに思います。したがって、自治体における自治基本条例の制定などが一番重要になってくる、こういうことだと思います。
 そういった自治体の側の運動を拡大するためにといいますか、それを励ますということも含めまして、辻山先生の提起をされている地方自治基本法、これは、ぜひそれに向けての議論を私も進めたいと思っておるわけです。
 先ほどもありましたが、あえてお聞きをしますが、そのエッセンスを、例えば憲法のところに規定をすることはどうか。例えば、法令の適用除外の問題とか幾つかあろうかと思いますが、その点、まずお聞かせいただければと思います。

辻山参考人 分権一括法との関係でいいますと、要するに、行政執行についての自由裁量を広げていこうということはやられたと思いますけれども、実は立法分権という意味ではほとんど見るべきものがなくて、それはまさに、この国会における立法権の範囲、立法の領域と、地方が条例によって立法していく領域とをもう一度考え直してみようじゃないかという必要がありそうだ。一般には立法分権というようなことを言うわけですが。
 そのときに、連邦制のように、地方に独自の立法権を憲法上与えていくかどうかというところまでは、実は議論していないんです、基本法は。国会で立法したにもかかわらず、地方で、これは重要だから法律の内容とは違うけれどもやらせてもらいたいというものについて、国会での認証をしていくような仕組みがあり得るのではないか、その受け皿として自治基本条例を考える、こういう仕組みに一応考えております。

稲見小委員 自治権という考え方なわけですが、私も、民主党の行政調査会第一分科会というところが交付税改革と税財源移譲の分科会になっております、そこの主査をしているわけですが、あわせて他の分科会では道州制を展望した地方分権というのが議論をされております。その場合、辻山先生が述べられた地方分権の本質であります自治権、これを本格的に定着、拡大をしていく、こういうことになろうかと思いますが、その自治権が住民に最も身近な基礎自治体に第一義的に付与されるということが重要ではないか、こういうふうに私は思っております。
 そういう意味では、住民の自治権の概念について現憲法には規定がありません。新たに住民の自治権規定と、自治権は第一義的に基礎自治体により実現をしていく、こういうふうな考え方はいかがでしょうか。

辻山参考人 一応、先ほど申し上げたように、自治権の中身は、地方自治の本旨という言葉の理解にかかわっているという認識なんですね。御承知のように、憲法ができてから今日まで、地方自治の本旨の中身が確定できないで来たということがありますので、御指摘のように自治権というものを憲法上明らかにするということが可能であれば、私はそれにこしたことはないと考えております。

稲見小委員 あと、徴税の仕組みなどについてなんですが、私の先ほど申し上げました分科会のところで、国の税金、それから道州の税金、それから国と道州の財源調整の税金、それから基礎自治体につきましての全国統一的な税金、さらに、基礎自治体が住民の多様な要望にこたえていろいろな仕事をしていくための独自の課税といいますか税金、こういうようなことを考えながら、徴税の仕組みをどうしていくのかというようなことを議論いたしております。
 それで、御教示いただきたいんですが、分権推進のために地方の課税自主権の飛躍的な拡大が必要だということであろうかと思います。今申し上げましたように、全国的な税構造に従いつつ、地方における自主的な課税権の本格的な拡大、こういうものにつきましては、憲法上の何か新たな規定というものが必要なのかというのが一つ。
 それから、私どもの検討の中で、徴税は道州で行って、国の必要分については国に上げる、国の税金の分と、それから国、道州の調整財源で国の取り分というのは納付をするというようなことを検討しておるわけですが、徴税を道州で行い、道州間の財政調整の仕組みをつくる、こういうようなことは、憲法規定上、今申し上げた検討課題ということとの関連でいいますとどうなるのか。
 徴税について、この二つの点をお教えいただければと思います。

辻山参考人 徴税権、徴税をどこでやるかということはさほど大きな問題ではなくて、課税権をどこが握るかということだというふうに考えるのですね。
 したがって、この国会の立法で課税対象が決まり税率が決まって、取りなさい、それを道州でやっても、余り道州の自治には結びつかないような気がいたしますね。むしろ道州に課税権を認めて、その中で、これは道州限りの税ですよというのと、何十%かは国の分を代行しています、そういう税の取り方が可能かどうかということだと思いますが、その場合に市町村の財政調整はどこがやるかという問題、やはり制度設計としては残りそうですね。
 基本的な立場で申しますと、市町村の財政調整を将来道州がやるということが全く不可能だとは考えておりません。

稲見小委員 ちょっと時間が少なくて十分私も展開できなかったんですが、今おっしゃったように、課税権、これを道州が持つ、あるいは独自の税金内容を基礎自治体が持つ、こういうふうな場合に、憲法上、今以上の規定を設ける必要があるのか、あるいは、辻山先生がおっしゃっているように、国で認証をすればそれで済むのかというようなことも少しお聞きしたかったんですが、もし短いコメントがあればその点だけお聞きをして、私の発言は終わりたいと思います。

鈴木小委員長 質疑時間が参っておりますので、簡単にお願いをいたします。

辻山参考人 認証にかかっていると思います。

稲見小委員 ありがとうございました。






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