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005  衆議院 総務委員会
 
第159回第18号  2004.05.20  地方公務員共済組合法の一部改正について




第18号 平成16年5月20日(木曜日)

平成十六年五月二十日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 佐田玄一郎君
   理事 左藤  章君 理事 佐藤  勉君
   理事 滝   実君 理事 野田 聖子君
   理事 伊藤 忠治君 理事 松崎 公昭君
   理事 松野 頼久君 理事 桝屋 敬悟君
      今井  宏君    岩崎 忠夫君
      大前 繁雄君    岡本 芳郎君
      奥野 信亮君    亀井 久興君
      小西  理君    田中 英夫君
      谷  公一君    谷本 龍哉君
      西田  猛君    萩生田光一君
      松本  純君    三ッ矢憲生君
      山下 貴史君    稲見 哲男君

      大出  彰君    川端 達夫君
      黄川田 徹君    須藤  浩君
      園田 康博君    田嶋  要君
      高井 美穂君    寺田  学君
      中村 哲治君    西村智奈美君
      山花 郁夫君    若井 康彦君
      河合 正智君    長沢 広明君
      塩川 鉄也君    横光 克彦君
    …………………………………
   総務大臣         麻生 太郎君
   総務副大臣        山口 俊一君
   総務大臣政務官      小西  理君
   総務大臣政務官      松本  純君
   財務大臣政務官      七条  明君
   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)   須田 和博君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)   渡辺 芳樹君
   総務委員会専門員     石田 俊彦君
    ―――――――――――――



○佐田委員長 次に、稲見哲男君

○稲見委員 稲見哲男です。憲法調査会の質疑とかけ持ちで恐縮でございます。
 この質疑に参加をするにつきまして、少し戸惑いがございます。といいますのは、私自身が地共済の受給権が発生をしているということ、一方で、民主党は年金の一元化ということで対案を出しまして、四月の二十八日の厚生労働委員会のあの強行採決に私も抗議で参加をしておりました。
 今の地共済とは少し性格が違うかもしれませんけれども、厚生年金法、私は、十四年間連続値上げの法案であり、しかもそれで安定はしないというふうに思っております。厚生年金の加入者数あるいは運用利息、予定出生率、平均余命、このいずれかの数字が違ってくれば、今の法案でも財政は安定をしないということでございますし、そういう意味では、特にこの値上げによって厚生年金の加入者数に非常に空洞化が生じるんではないか、こういうふうに思っております。
 そういう意味では、やはりこの現在の政府案については一たん廃案にして、国民の皆さんと一緒に与野党ともに十分な議論をして、年金制度の抜本改革、これを実現すべきではないか、こういうふうに思っております。
 そういう意味で、具体的な質疑に入る前に、これは通告をしていないので恐縮ですが、一つだけお聞きをしたいと思います。
 幾つかの仮定があるんですが、例えばこの地方公務員共済組合法が総務委員会、衆議院で可決をされる、同じように国共済なり私学共済も参議院に行く。しかし、厚生年金法を中心にした関連法案が廃案になったときに、この地方公務員共済組合法の改正案というのはどうなるのか。
 例えば、少し見ますと、給付については厚生年金法と準じているということでございます。今回の法案でも、第三の育児休業手当の問題、第五の国家公務員共済年金制度との一元化の問題、あるいは第六の市町村の共済組合の長期給付事業の一元的処理の問題、これはこの法案独自の問題でございますが、本体のところが廃案になった場合にこの法案自身はどうなるのか。このことについて、まず公務員部長にお伺いをしたいと思います。

○須田政府参考人 厚生年金の方の改正がなかったという場合に、私どもの今回の改正案の中では厚生年金法を引用している規定がたくさんございますので、そちらの方の関係で、やはりいろいろな形での問題が出てくるだろうと思っております。
 それからもう一つ、切り離してというようなことなんですけれども、これはちょっと今まで余り考えてもいなかったものですから、特に財政単位の一元化ということになりますと、ある程度将来の全体のを見越しながらあわせて検討してきたこともございますので、余り想定していたことはございません。

○麻生国務大臣 通告のない御質問でしたので、ちょっと公務員部長に押しつけるのもいかがなものかと思いますので、考え方を言わせていただければ、基本的には、私どももこれはぜひあくまでも成立をさせていただきたいというお願いで、関連してくるところが余りにも多いものですから、地方公務員共済につきましては、これはいろいろこれまでも指摘があるところでもありますし、今いろいろな意味で、守秘義務を含め、負担を負っているところもいっぱいあります。何となく公務員共済の方がよくてほかのところが給付が悪いみたいな話をしているのも、それもちょっと違うんじゃないかなという感じもいろいろありました。
 ですから、私どもとしては、この際、この地方公務員共済につきましてはぜひとも通していただいて、いろいろな意味で、先ほど西村さんからの御質問にもお答えをいたしましたように、時代とともにいろいろな問題が起きてきております。年金の一元化の話を含めて、こっちが人口が減ってきた、物価は下がった、いろいろな例も出てきております。夫婦で四十年間勤めてというのがスタンダードになっているけれども、それもおかしいじゃないか等々、いろいろこれまでも厚労委員会で話のあっておるところで、確かに四十年間夫婦二人ずっとという方が減っているんじゃないかなと思うぐらい例がいっぱいありますので、この種の話はちょっと、真剣にいろいろな例を突き合わせてみないとわからぬ時代になってきているんです。
 ではどれがスタンダードで決め手かという話まで戻っていかないとなかなか、すべてに関係してくるところなので、今言われたように、これがもしだめになった場合はこっちもというようなところは、だめにならない前提で私どもも考えておりますので、ぜひこのためにも通していただければと思っております。

○稲見委員 通告していなかったので、遠慮して公務員部長にしただけの話です。
 ただ、公務員部長の方から、この地共済独自のところについて分けてということは考えておられないということですから、そうしますと、厚生年金法が廃案になれば地共済法についても参議院で廃案にならざるを得ない、こういうことだというふうに思っております。それを前提として具体的な質問をさせていただきます。
 今も少し、本体の給付のところで厚生年金法と準じておるというふうなことがございました。いわゆる基礎年金ができた八五年の改革において、被用者年金制度については給付の支給率水準が平準化をされた、それ以降、この共済年金制度については、実質的に厚生年金における取り扱いと同様の措置が図られてきたということでございます。
 一方、厚生年金の改革については、この間、社会保障審議会年金部会において、相当長時間の、関係者を含めた議論が行われてきたというふうに承知をいたしておりますけれども、この地共済の改正案において、この見直し、当事者の意見反映はどのようにされてきたのか、その点、まず明らかにしていただきたいと思います。

○須田政府参考人 総務省におきましては、今回の地共済の法案の改正の内容を検討するに当たりまして、地方公務員共済年金制度に関する懇談会を平成十五年五月から開催いたしました。この懇談会は、学識経験者、職員団体関係者、共済関係者などにより構成されるものでございまして、地共済年金制度における給付と負担のあり方など、地共済年金制度の改正に関して必要な事項を幅広く検討、御議論いただいたところでございます。
 今回の改正案は、この懇談会における議論も踏まえた上で作成したものでございますので、当事者でございます地方公務員共済関係者などの意見は反映したものとなっていると考えております。

○稲見委員 職員団体や共済関係者を含めた懇談会が十分なされたというふうな御答弁だったわけですが、実は、中央省庁の統合といいますか再編前は、厚生年金を含めて全体の給付のあり方などを決めていく厚生省の年金審議会というのがあった、そして、そこには地方公務員共済組合連合会の理事長が参加をしておったという状況がございます。しかしながら、省庁再編後、社会保障審議会の年金部会、こういうふうになりまして、そこには、今、地方公務員共済年金制度に関する懇談会でおっしゃったような当事者は、この本体の部会のところには参加をしておりません。地方三団体よりの委員が参加をしている、こういうふうなことでございます。
 公務員の共済組合につきましては、労使対等参加原則のもとに、具体的には、共済組合法等からの委任に基づく運営審議会あるいは組合会において、定款、制度運営が図られておる、こういうふうに認識をいたしております。例えば保険料の決定についても、連合会の定款により特定され、決定は労使対等のもとに構成されている運営審議会にゆだねられている。積立金の運用が厚生年金の議論で相当議論になりましたけれども、これについても運営審議会または組合会による日常的なチェックが行われているというふうな状況がございます。
 しかしながら、加入者や受給者において極めて重大な問題である制度改革ということになりますと、当事者の意見反映の機会、機能が決して十分とは言えないんじゃないか。先ほど申し上げました審議会の改編によるところでございます。
 この点について、地方公務員共済組合の当事者が本体の改正議論に参加をできるような審議会等の見直しについて措置をする考え方がないのか、これは、ここに御出席いただいております厚生労働省の方からお伺いをしたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 少し過去の事実関係を含めて御説明させていただきたいと思いますが、かつては委員であったという、地方公務員共済の関係の理事長のお話がございましたけれども、かつての年金審議会当時から、必ずしも共済関係の方々が常に委員として任命されていたわけではないというふうに承知しております。御参画いただいている場合にありましても、そういう時期はございますが、学識経験者として入っていただいているという理解をしております。
 振り返りますと、昭和六十年、これは基礎年金ができる際の大きな改正がございましたが、その当時、年金審議会の発足当初でございますが、地方公務員共済の関係の方々は学識経験者としてでもそのときは入ってはいらっしゃいませんでした。その後変化があるわけでございますけれども、御指摘の中央省庁再編前の前回改正時におきましても、確かに地共済の理事長の御参画をいただいておりましたが、ほかにも共済がございます、国共済あるいは私学共済の関係者は委員としての任命はされていない状態で審議会が働いていたという経緯でございます。
 それから、公的年金制度の一元化関連で関係閣僚会議のもとに懇談会がございますが、そこは、先生御承知のように、共済関係者の御参画をいただいて今日まで来ているということでございます。
 なお、今回の年金制度改革におきましては、御指摘のように、中央省庁再編の際に、審議会の位置づけ、あり方というものがかなり変化しております。御指摘の年金部会におきましては、従来の年金審議会のように、諮問、答申を行い、政策的にとり得る方策として一つの結論を決めようという性格の審議会ではなく、むしろ、有識者の方々にさまざまな方法で幅広く御意見を伺うという考え方の一つとして、貴重な御意見を承っておるというところでございます。
 なお、審議会の運営は、資料、議事ともに完全公開で行っておりまして、共済関係者の皆様も常にその状況がごらんいただける、そういう中で運営をしておりますし、また、並行して、総務省の方とも十分協議しながら進めるというふうなことで、今回の改革案を取りまとめております。
 審議会、部会のあり方ということにつきましては、先ほど申しましたように、大きく制度的な位置づけも変化しているということもございまして、こうした有識者による意見の御開陳の場として、さらに有効に機能するよう努力してまいりたいというふうに思っております。

○稲見委員 確かに、審議会だけではなしに、この地方公務員共済についても、以前は地方公務員共済組合審議会、先ほど言いましたように、法諮問型の審議会があったものが今は地方財政審議会の中の部会というふうなことになっております。社会保障審議会そのものが厚生省おっしゃったように意見開陳の場ということで、私は、今回のあの部会のさまざまな議論も十分今回の年金改正に反映をしていないんじゃないかなというふうな気持ちがいたしておりますが、とりわけ、この地方公務員共済を所管しておられます総務省の方、今の厚生労働省の御回答を受けて、コメントがあればお聞かせ願いたいと思います。

○須田政府参考人 先ほどもお答えしたことでございますけれども、総務省におきましては、今回の法案の改正内容を検討するに当たりまして、審議会ではございませんけれども、それにかわるようなものとして懇談会を設けて、関係者の意見を十分聞きながら法案を作成しているところでございますし、また、ただいま厚生省の方からのお話にありましたように、日ごろ厚生省さんの方からの情報をいただくとか、あるいはこちら側の意見を厚生省にお伝えするとか、そういうふうな連携は十分やってきておりますので、改めて審議会等の見直しをするという必要があるとは考えてございません。

○稲見委員 入り口だけで議論をするわけにいきませんので、ちょっと具体的な質問に入っていきたいと思います。
 年金というもの、それから特に公務員共済というものについて、少し私の認識を申し上げます。
 社会保険というシステムの出発は、急激な産業化、工業化を遂げつつありました十九世紀後半のドイツだというふうにお聞きをいたしております。疾病保険それから労働災害保険と並んで、一八八九年に障害・老齢保険というのが、年金に当たるわけですが、創設をされた、こういうふうなことでございます。
 日本においても、当初、ドイツ型の社会保険システム、いわば職域を中心にして所得比例的な給付構造をとり、保険料を主財源とする社会保障システムとして出発をし、次第に、今もありましたように普遍的な方向に移行をしてきたわけでございますが、まだ、例えば医療保険制度、大企業における健保組合、あるいは共済組合短期給付事業の存在、こういうものがあり、職域中心主義というものが色濃く残っているのではないかというふうに思っております。
 制度発足の経緯、そして日本の公務員共済年金の沿革を照応いたしますと、そもそも恩給制度、賃金の退職後の後払いというものから始まっておりまして、勤務条件的な性格をも有することは論じる必要はない、こういうふうに考えております。その意味では、公務員の勤務条件の決定システム、労働基本権の適用関係と密接な関係を持つ問題である、こういうふうに私は考えます。
 あわせて、先ほど前段で申し上げましたように、労働組合による相互扶助、共助として実施をされてきた共済活動、これが社会化をし、強制化をされたという形が現在の制度でございますから、もともと組合員の自治に基づき運営をされていたもの、労使関係あるいは労働関係のもとにおいてそれぞれに決定をされている労働条件を補完する性格をも有するものではないか、こういうふうに思っております。
 公務員の共済そのものについて、今申し上げましたような私の認識について、政府側の御認識をお答えいただきたいと思います。

○須田政府参考人 地方公務員共済年金制度でございますけれども、この制度は、国民年金や厚生年金と同様に社会保障制度の一環ということがまずございますが、同時に、公務員制度の一環といたしまして、地方公務員など及びその遺族の方の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的とするものでございます。
 したがいまして、例えば、お尋ねの労働基本権の制約を含めまして、地方公務員にさまざまな身分上の制約が課されていることなどを踏まえまして職域年金部分が設けられているなどの特徴を有しているものと理解しております。

○稲見委員 私申し上げましたように、勤務条件の決定システムというふうなこととかかわる、特に公務員の制約をされた状況のもとでというふうなお答えでした。
 しからば、労働権という観点からは、この被用者年金制度において少なくとも、これは民間も含めて、国際的な基準が存在をしているのではないかというふうに考えております。例えばILOにおける考え方がどのようになっているのか、これは厚生労働省の方にお伺いをしたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答えいたします。
 ILOの各種条約の中でも、お尋ねの年金制度にかかわるものはございます。
 ポイントだけ申し上げますと、ILO百二号条約、一九七六年に我が国は批准しておりますが、ここでは、老齢年金において確保されるべき給付水準というものが示されております。具体的には、保険料を三十年拠出した場合において従前所得の四〇%の給付を確保すること、こういうような記述がございます。
 なお、その後、百二十八号条約というものもあり、類似の部分で四五%という規定のあるものもございますが、これは我が国においてはまだ批准がされておりません。
 批准しておりますILO百二号条約につきましては、定期的に我が国の報告を年次報告という形で出させていただいております。直近では二〇〇一年に出させていただいておりますが、その時点におきましても先ほど申し述べました数字でございますので、我が国の年金制度の給付水準、ILOが指し示しているところでは、かなりそれを上回っているというような状況にあるというふうに思っております。

○稲見委員 国際基準で過去の平均賃金の四〇%というふうなことでございますが、この年次報告で、例えば二〇〇一年に報告をされた数字がどうなっているのか。特に、日本には一時金という制度が公務員も含めてございますので、一時金を含む平均賃金というふうなことで考えました場合に、この四〇%という数字がどういうふうに変化をするのか、その点についてもわかればお聞かせ願いたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどちょっと触れるだけで終わってしまいましたが、二〇〇一年の我が国の年次報告におきまして、この条約で示された前提条件による、と申しましても、必ずしも詳しくは示されていない部分もありますし、今ちょっと手元にその詳細の文書を持っておりませんが、その前提条件による報告とされているもので申し上げますと、我が国の老齢給付の水準は五四・六%であるという報告をILOに提出させていただいております。

○稲見委員 御質問しました、一時金を含めたということで理解をしていいんですか。

○渡辺政府参考人 恐れ入ります。
 その当時の報告書の基礎となっておりますところの給与の方の数字でございますが、三十万二千三百五十四円という数字でございますが、これはいわゆる平均標準報酬ということでやっております。当時はまだ、年金制度、健康保険制度通じて、総報酬制が導入される前でございますので。
 次回の報告は数年先になると思いますけれども、今は総報酬制の時代に入ってまいりましたので、これから見ていく場合には、私どもも、平均的な標準報酬というときには一時金、賞与、こういったものも広い意味で入ってくる、そういう報酬制度のもとでの社会保険でとらえられるものを参酌しながら、その時点で、将来のことでございますので、どういう前提条件を置けという話になるかはまだ私ども承知しておりませんけれども、我が国が総報酬制になっているという前提での作業になるのではないかと予想をしております。

○稲見委員 それでは、もう一つ進めまして、諸外国における公務員の年金制度について、例えば民間とどういうふうに相違をしているのか、あるいは同一なのか、こういうことを中心に、どのような内容になっているかということを明らかにしていただきたいと思います。
 先ほども年金の発祥がドイツあるいはイギリスの産業革命というようなことですから、欧米、北欧ということで、例えばイギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、そして民主党も非常に興味を持っておりますスウェーデン、このあたりでどうかということを、わかりましたらお聞かせ願いたいと思います。

○須田政府参考人 お尋ねの諸外国の地方公務員の年金制度でございますけれども、まずイギリスにおきましては、一階部分として全国民共通の基礎年金制度がございまして、その上で、二階部分として国家公務員年金、または地方公務員の場合ですと地方公務員年金に加入することになります。
 御指摘のように、ドイツやフランスではかなり共通した仕組みになっておりますが、いわゆる職域年金を中心として、職域年金はいわゆる縦割りになっておりますので。さらに、ドイツ、フランスでは公務員も、官吏としての公務員と非官吏としての公務員、二つに分けているということがございます。そうしたことから、これら両国におきましては、官吏につきましては基本的に官吏恩給制度、そして、非官吏につきましては一般被用者と同様の職員年金制度に加入することとなっております。
 アメリカでございますけれども、連邦制ということでちょっと特殊な事情があるかとは思いますけれども、州地方政府職員につきましては、団体単位で一般被用者と同様の制度に任意加入し、そうした場合に、二階部分としまして地方公務員の職域年金部分に加入するという形になっておると承知しております。
 また、スウェーデンにつきましては、基本的には全国民共通の国民老齢年金に加入することとなっていると承知しております。
 したがいまして、スウェーデンを除きますこれらの国々におきましては、公務員年金制度が民間事業者の方とすべて一本化されているという国は見当たらず、イギリスのように、共通な一階部分がある場合であっても、基本的に、公務員制度の性格を踏まえまして別個の制度になっているものと認識しております。
 なお、全国民共通の国民老齢年金が設けられているスウェーデンでございますけれども、この場合でも、さらにその上積みというか上乗せのような形のものとしまして、準公的年金の位置づけで職域別の協約年金の制度があると承知しております。

○稲見委員 それぞれ、公務員の労働基本権の問題がヨーロッパとは相当差異があるにもかかわらず、年金制度についてはほぼ公務員独自の年金制度があるということだと思います。スウェーデン方式、民主党の対案は所得比例年金とそれから生活最低保障年金、こういうふうに考えておりますけれども、そこでも準公的な年金があるというのは私自身認識としては初めてお聞きをいたしました。
 それで、先ほど麻生大臣も少しお触れになりましたけれども、日本の公務員年金の場合、厚生年金には措置をされていないいわゆる職域相当部分、こういうものがございまして、麻生大臣も、これが批判的に指摘をされている場合があるというふうにおっしゃっておられました。
 この点について、職域相当部分をどのように認識しておられるのか。私、民間のことは余り詳しくないわけですが、厚生年金においては企業年金あるいは確定拠出年金というふうな別個の制度が存在をしているというふうにお聞きをするわけですけれども、これらとの関連性を含めてお答えをいただきたいと思います。

○須田政府参考人 地方公務員共済年金は、基本的には公務員制度の一環としての性格を有しているということは先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、その職域年金部分につきましても、地方公務員にさまざまな身分上の制約が課されていることなどを踏まえまして、公務の能率的運営に資するという観点から設けられたものと理解しております。
 したがいまして、いろいろ御指摘があるということにつきましては承知しておりますけれども、地方公務員共済年金の職域年金部分の存在をもちまして共済年金と厚生年金の優劣を論ずるということは必ずしも適当ではないのではないかと考えております。
 なお、民間におきます企業年金との関係でございますが、この職域年金部分は、民間におきまして企業年金が相当普及していることも考慮して創設されたものでございます。ただ、その水準ということに関して見ますと、企業年金の水準あるいは態様がさまざまであることもございまして、具体的な職域年金部分の水準につきまして、企業年金との比較により決定するという方法をとっているわけではございません。

○稲見委員 年金の一元化ということを考えていく場合、非常にここが、いろいろ議論を深めていかなければならない問題が残るというふうに、私も民主党の国会議員ですから意識をいたしております。
 次に、一元化に少しかかわるわけですが、過去の公的年金制度の一元化というふうに考えますと、民営化、株式会社化されたということでのJRあるいはJT、またNTTというふうな旧公共企業体の共済から厚生年金への統合というふうな問題がございますし、直近では、農林漁業団体職員共済組合の厚生年金への統合といいますか、復帰といいますか、そういうものがございました。
 被用者年金制度にかかわる関係者が参加をした公的年金制度の一元化に関する懇談会というところで検討が行われてきたということでございましょうが、そこで、これらの経過を踏まえまして、加入者や受給者にとって一元化が極めて重大な問題であるというふうなことを考えますと、当事者の参加、意見反映が不可欠であるのではないか、こういうふうに考えております。その点、政府の認識を明らかにしていただきたいと思います。

○山口副大臣 先ほども若干御議論いただいておりましたが、今先生も御指摘のとおり、旧国鉄の場合も農林年金の場合も、当然、関係者の皆さん方が入って御議論いただいてきたわけでございます。
 この公的年金制度の一元化の問題というのは、加入者、受給者にも大変大きな影響を及ぼす重大な問題でございますので、そのあり方の検討につきましては、各制度の関係者も当然のことであろうと思っておりますが、同時に、各界各層あるいは各党間における議論を踏まえて適切に検討されていかなければならないと思っております。

○稲見委員 それでは、今までの質疑を踏まえまして、麻生総務大臣に御見解なりをお聞きしたいと思います。
 公務員共済年金制度につきましては、今までの私の質疑の中で、一つには、労働基本権が制約をされるとともに、さまざまな服務上の義務が課せられているなど、公務員制度の一環として措置をされているものであること。二つには、共済年金の職域相当部分については、給付構造上、民間の企業年金に対応するものであること。三つに、公務員の共済年金制度につきましては、国共済、地共済の財政単位の一元化がなりますと、将来においても安定的な財政、制度運営が図られるというものであること。四つに、共済組合制度は、年金、健康保険、福祉の一体的な事業運営が行われているということ。それから最後に、公的年金制度の一元化については、関係者による議論、検討に基づいて対応されるべきものであること。このような認識を申し上げ、また質疑を行ってまいりました。政府からの御答弁をいただきました。
 そこで、ここまでの質疑を通じて、改めて公務員共済年金制度の意義、そしてあり方について、総務大臣からの御認識をいただきたいと思います。

○麻生国務大臣 今、稲見先生おっしゃいましたように、一から五ございましたけれども、基本的に認識はほぼ同じであります。
 守秘義務に始まり、公務員というのは服務上のいろいろな規定、規制がありますので、公務に安心して専念ができるというのは非常に大事なところでありますし、その意味では、医療保険とか福祉とかいろいろございますけれども、そういったものを含めまして、自治労、労働組合も含めまして、関係者一同が一体的に運営がなされているということでもありますので、公務員制度の一環として極めて重要な制度なんだと、私どもとしても同じように認識いたしております。
 その上で、国共済、国家公務員共済との一元化の話につきましては、おっしゃるように、財政単位の一元化というのを今回盛り込んでおりますけれども、それによりまして、今回の成果というものが一緒になることによってより確実なものになる、私どもそう思って出しております。
 もう一つの、国民年金等を含む公的年金全体の一元化に関してのお話は、これは平成十三年の閣議決定というのを踏まえまして出てくるんですが、そのときでも、厚生年金保険等との財政単位の一元化も含め検討するとその当時に書いております。この点につきましては、今回の三党合意の中におきましても、衆議院と参議院のそれぞれの厚生労働委員会に年金の一元化問題を含む社会保障制度全般のあり方に関する小委員会を設置すると三党合意になされておりますし、また、与野党により、平成十六年度から年金の一元化問題を含めた社会保障制度全般の一体的見直しのための協議会を設置し検討するということに三党合意でもなされておるところでもあります。
 私どもとしては、この議論をよく拝聴させていただいて適切に対応していかねばならぬものと思っておりますが、基本的に言えば、今一から五に言われましたとおり、この地方共済年金というのは、公務員のいわゆる福祉とかいうものを含めまして、安心して働けるものに極めて大きな影響力があるものだと思っておりますので、大事にしておかねばならぬ問題だと理解をいたしております。

○稲見委員 時間が参りましたので、質疑を終わります。
 ただ、今、年金制度全体に対する国民の不信感というのは頂点に達しているということから思いますと、この委員会での議論にとどまらず、やはり全体として、年金制度抜本改革に向けての与野党ともに努力が必要だ。そういう意味では、やはり現在の年金改革法案については一たん廃案にして、もう一度一から議論をすべきだということについては私の気持ちは変わらないということを最後に申し上げまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。






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