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008  衆議院 総務委員会
 
第160回第3号  2004.09.09  「公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件(人事院勧告)」について




第3号 平成16年9月9日(木曜日)
平成十六年九月九日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 佐田玄一郎君
   理事 左藤  章君 理事 佐藤  勉君
   理事 滝   実君 理事 野田 聖子君
   理事 伊藤 忠治君 理事 松崎 公昭君
   理事 松野 頼久君 理事 桝屋 敬悟君
      今井  宏君    岡本 芳郎君
      奥野 信亮君    加藤 勝信君
      亀井 久興君    自見庄三郎君
      鈴木 淳司君    田中 英夫君
      谷  公一君    萩生田光一君
      松島みどり君    松野 博一君
      松本  純君    三ッ林隆志君
      三ッ矢憲生君    山下 貴史君
      赤松 広隆君    稲見 哲男君
      大出  彰君    黄川田 徹君
      須藤  浩君    田嶋  要君
      高井 美穂君    寺田  学君
      中村 哲治君    西村智奈美君
      山花 郁夫君    若泉 征三君
      赤松 正雄君    河合 正智君
      長沢 広明君    塩川 鉄也君
      横光 克彦君
    …………………………………
   総務大臣         麻生 太郎君
   内閣府副大臣       佐藤 剛男君
   総務副大臣        田端 正広君
   総務大臣政務官      松本  純君
   会計検査院事務総局第五局長            円谷 智彦君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  磯部 文雄君
   政府参考人
   (人事院総裁)      佐藤 壮郎君
   政府参考人
   (人事院事務総局総括審議官)           佐久間健一君
   政府参考人
   (人事院事務総局職員福祉局長)          関戸 秀明君
   政府参考人
   (人事院事務総局人材局長)            藤野 達夫君
   政府参考人
   (人事院事務総局給与局長)            山野 岳義君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    岡田  薫君
   政府参考人
   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          須田 和博君
   政府参考人
   (総務省情報通信政策局長)            堀江 正弘君
   参考人
   (日本放送協会会長)   海老沢勝二君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 関根 昭義君
   参考人
   (日本放送協会理事)   宮下 宣裕君
   参考人
   (日本放送協会理事)   和崎 信哉君
   参考人
   (日本放送協会理事)   野島 直樹君
   参考人
   (日本放送協会理事)   中山 壮介君
   参考人
   (日本放送協会理事)   出田 幸彦君
   総務委員会専門員     石田 俊彦君
    ―――――――――――――
八月六日 
 一、行政機構及びその運営に関する件
 二、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件
 三、地方自治及び地方税財政に関する件
 四、情報通信及び電波に関する件
 五、郵政事業に関する件
 六、消防に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件(人事院勧告)
 情報通信及び電波に関する件(NHK不祥事問題等)

○佐田委員長 次に、稲見哲男君
○稲見委員 おはようございます。
 麻生総務大臣、退職後の生活を考えて私は政治に挑戦したわけではございませんので、一言申し上げておきます。
 時間が限られておりますので、勧告の細かい点は後に回しまして、報告について、まず人事院総裁にお伺いをしたいと思います。
 給与構造の基本的見直しの点全般についてでありますが、この課題は公務員制度改革と大きくかかわるものでありまして、一方、政府の行政改革推進事務局で、現在、能力等級制度、評価制度など、新たな公務員制度について検討中だというふうにお聞きをいたしております。そうしますと、公務員制度改革についての関係者や国民の合意抜きに、またとりわけ、国際労働基準としてILOから何度も勧告をされております労働基本権の付与を先送りして、公務員制度のパーツの一つにすぎない給与構造の見直しだけが先行されて議論されるべきではないというふうに考えております。
 現在の人事院勧告制度を前提にして、人事院の考え方としては理解できるわけでありますけれども、労働基本権のあり方、人事院制度のあり方など、公務員制度の基本的なあり方に及ぶところであり、制度改革の推進とのかかわりでこの基本的な見直しについてどう考えておられるのか、まず総裁にお聞きしたいと思います。
○佐藤政府参考人 今御指摘のように、今回の給与構造の見直しに関する提案は、今進行中の公務員制度改革の中で、能力・実績主義の導入と、それに伴う評価主義が確立するという前提で提言をさせていただいております。
 それから、労働基本権の問題につきましては、今いろいろな場で議論がされているということは承知しておりますけれども、今回の報告につきましては、あくまでも現在のような制約があるという前提で報告をさせていただいております。
 当然、労働基本権が回復されれば、人事院の役割のあり方、あるいは人事院勧告の方法などについても変更があると思いますので、その場合につきましては、またその時点でいろいろ検討する必要があるというふうに思っております。
○稲見委員 現在の労働基本権が制約をされた中ということでありますが、しかし非常に重要な問題でありますので、これを進めるについて、特に職員団体など関係先との十分な協議ということについてはお願いをしておきたいと思います。
 それから次に、少し各論に入りますが、地域間格差の是正についての問題であります。
 俸給表水準を一律に引き下げる、そこで生じる原資をもって新たな地域手当として再配分する、こういう考え方でございますが、これは、まず第一に、霞が関優遇策そのものではないか。キャリアシステムの見直しなど公務員制度改革の課題に逆行するものと言えるのではないかというふうに思っております。
 しかも、二番目に、俸給表水準を引き下げる根拠として、地域別の官民給与の較差を挙げておられるわけでありますけれども、これらは年々の民間給与の変化に伴って変動するものである。実際、民間賃金の回復で、人事院の報告どおり、較差は小さくなってきております。北海道・東北で、昨年は六・四八%、ことしは四・七七%、そういうふうに変わってきております。これは、景気動向によりましてはこれがさらに縮まるということになりますと、俸給表水準を設定する根拠にならないのではないかという点であります。
 また三番目に、人事院が職務給を公務員給与の原則としている、つまり、地域間で公務サービスに格差はないということからしますと、これについても矛盾を生じるのではないかというふうに思っております。
 公務員給与制度にかかわりまして、基本的な構造に及ぶ問題であり、これも関係団体などとも十分に協議をされまして慎重に検討されるべきであるというふうに考えておりますけれども、この点、総裁の御見解をお伺いしたいと思います。
○佐藤政府参考人 最初の、これは霞が関優遇策ではないかということでございますけれども、決してそうではございませんで、現在の俸給の水準というのは全国の平均で設定しておりますので、例えば東京みたいに民間給与の高いところについては、公務員の給与というのはそれに比べて低い。逆に民間の給与が低い地域では、公務員の給与はそれより高いというふうに設定をされているわけでございます。
 したがいまして、今回の私どもの提言では、それをそれぞれの地域で合わせるようにしたらどうかという趣旨でございまして、実際、各省庁からは、優秀な、例えば3種、2種の採用者を地方から引っ張ろうとしても、なかなか霞が関に来てくれないということも聞いておりますので、そのためにも、例えば本府省手当というものを設定するというようなことをいろいろと考えていきたいというふうに思っております。
 それから二番目は、各地域の給与水準、民間の給与水準というのは毎年変動するではないかということでございますけれども、これはそのとおりでございまして、もし変動幅がある一定以上になれば、これは、現在の人事院勧告と同じように、その都度、給与表の改定をまた勧告させていただくということになろうかと思います。
 それから三番目の、職務給とちょっと矛盾するではないかというお話でございますけれども、私どもとしては、職務給というのはあくまでも本俸に対して当てはまる考えであって、手当というのは別途、個人的な、あるいは個別の事情、例えば、どういう地域に勤務しているとか、扶養家族があるとかないとか、そういうことで手当をそれに乗っけているわけでございますので、現在も、俸給を下げるといたしましても、俸給そのものは職務給の考え方でやっていきたいというふうに思っております。
○稲見委員 ただ、昨日も質問取りのときに割とフランクにいろいろ議論をしておったんですが、職務給として一本の全国平均の俸給表があった。しかし、これまでの話では、それを例えば五ポイント、全体として下げる。それは、地域の生計費に着目をして、東京二〇%という形でそれを配分していくというふうなことになりますと、結局、今でも四二%ぐらいが調整手当としてはゼロなわけですから、じゃ、退職金の計算のときにどうするんだとか、あるいは、五%落ちたことについて、地方の場合は一方的に下がったままではないかとか、いろいろな問題点というのは現行制度との関連で幾つも出てくるというふうに思うわけです。そういう点では、非常に慎重に議論を煮詰めていただきたいというふうに思っております。
 次に、これは総務大臣にもお聞きをしたいと思います。
 今少し申し上げましたように、地方自治体の給与制度と水準は国に準拠をする、こういうふうになっております。多くの自治体は国の俸給表を適用いたしております。
 そうした中で今の人事院の考えどおりに俸給表水準が引き下げられた場合、国家公務員にあっては、本給のところで引き下げられても、それを総原資として官民較差を図っておりますから、総原資を抑えれば手当の方に回るという形で、先ほどの二〇%の地域給であるとか、こういうものが出てこようかというふうに思います。しかしながら、地方公務員の場合は、必ずしも官民較差の総原資が抑えられていないというふうにお聞きをいたしております。
 私は大阪市の出身で、総原資を抑えておりますが、府県の人事委員会においても総原資を抑えているということにならなければ、この俸給表のところで一律にダウンをしたものはそのまま下がりっ放し、こういうことになってしまうのではないかというふうに思います。
 ことしは人事院による報告という扱いでありますけれども、今後、国における制度化にかかわりまして、地方公務員に大きくかかわる問題でありまして、総務省として今日的にこの地域配分の問題をどのように扱われていくのか、お考えをお聞きいたしたいと思います。
○麻生国務大臣 御懸念の点はもっともだと存じます。
 ただ、人事院の勧告で示された案というのは、稲見先生御存じのように、基本的にたたき台として、地方に限らず各府省庁においても、これはいろいろな形で個別にやっていかれる部分というのは今後ふえてくるということなんだとは思っておりますけれども、ほかにも職員団体はいろいろございますので、その点においても検討されていくべきなんだと思います。
 いずれにいたしましても、今回の勧告、報告というものが具体化されれば、これが地方公務員の給与のあり方について大きく影響するであろうということは、稲見先生の御指摘のとおりだと思っております。
 したがって、私どもとしては、学識経験者、労働界また経済界などの方々から研究会を設置するということにして、今回の人事院の報告の内容を検討してやらせていただくのを開始することにしておりますけれども、やはりこれは、だんだん地方自治体においても、例えば大阪府におきましては、既に給与計算、出張旅費等々の計算はすべてアウトソーシングをしておられるということによって、人件費の節約約三十八億なんというのが、この間数字が挙がっておりました。そういった努力をされておられるところ、そのコストが下がった分が給与に充てられるのか手当に充てられるのか、これはいろいろなことが考えられるんだと思います。
 いずれにしても、かつて、大阪周辺、ラスパイレス指数が日本で一番高かったところが、一応この何年間か、御存じのように、各県、各市それぞれ努力をしてこられて、今、ラスパイレス指数は一〇〇・一とか、そういったところまで全国平均でなっております。ということは、一〇〇以下のところがあるということであります。
 そういった意味では、地方自治体も、いわゆる財政事情の中にあって、機械化されたりICT化されたり、いろいろな努力をされておられる結果がそういうことになっているんだと思いますので、それが変な感じの労働強化になるとかいうような形ではなく、スムーズに、いろいろな今の技術の進歩に伴ってバックオフィスの部分を変えていくとか、そういった努力の結果、仕事として従来と同様な効果を上げるような形の努力が各首長さんでされていかねばならぬところだとは思いますけれども、御懸念の点は、これは十分に検討しておかなければならぬ大事なところだと思っております。
○稲見委員 私もこれから勉強してまいりますし、ぜひこの点は今後も委員会での議論に参加をしていきたいと思っております。
 あと、総裁、総務大臣、お二人にお聞きをしたいと思います。
 「新たな公務員人事管理の実現に向けて」という報告の項でありますけれども、この問題も労働基本権の付与と密接にかかわる、むしろ表裏一体ではないかというふうに思っております。
 お隣の韓国では、日本の労働運動ほどの時間的、歴史的な経過は長くありませんでしたけれども、今秋にも政府が公務員の労働組合設立及び運営などに関する法律というのを成立させようというふうな事態になっております、御存じかと思いますが。内容をめぐって大きな争点になっておりまして、労働組合側、公務員労働者の側は、労働三権でなくてこれは労働一・五権だというふうなことで、秋にもゼネストを構えるということのようであります。少なくとも、こういう状態になりますと、日本は後塵を拝することになるということだと思っております。
 この点、この新たな公務員人事管理の問題というのは、労働基本権と同時実施という以外ないのではないかというふうに思います。そういう点では、この点は麻生総務大臣にお聞きをしたいと思います。
 それから、この評価制度は昇任、降任等の必要条件でなければならない、このように考えております。
 民間でも、目的の達成度合いを評価し、これを昇給やボーナスに反映させるという形でこの制度があるというふうに報告にも書いてあるわけでありまして、その意味では、評価の基準などが勤務条件であることは明白であるというふうに私は認識をいたしております。そうしますと、評価制度の導入による能力、業績を重視した人事管理制度への改革をし、これを機能させるためには、文字どおり、労使の協議が必要になってくるのではないか。
 これまでの制度の中でこれが機能してこなかったというところでも、先ほどもありましたが、公務員の場合は成果が数字にあらわれにくいという特性や、集団的執務体制の維持が重視される職場風土のもとで管理職の意識や評価のスキルも十分でなかった、勤務評定制度が必ずしも職員に受け入れられず給与への実績反映の手段として機能してこなかった、こういうふうな現制度に対する問題点というのが指摘をされているわけであります。
 そういう意味では、評価制度に係る労使協議制度の確立が不可欠であり、制度設計を含めて十分な労使協議が行われるべきではないか、こういうふうに思っております。
 この後段は、総務大臣と人事院総裁、双方にお聞きをしたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕
○麻生国務大臣 韓国の経緯は少なからず承知をいたしております。一・五等々の御指摘があるところも、かなり激しいことになってきておる状況にあることも知っております。
 いろいろ幅広かったので、時間内にと言われると難しいんですが、国家公務員の世界において、職員の勤務状況というものをきちんと把握していくというか評価するというのは大変大事なところであります。
 採用試験のときの、たまたま二十二、三のころの成績の順番とか、年齢が幾つになったからとか、勤めた時間が何年になったからとかいうような年功管理的な人事管理というものから、能力をどう評価、査定するかが一番難しいところだと思いますが、ある程度の時間を経過いたしますと、その人がスタッフとしての能力があるのか、管理者としての能力があるのか、研究者的能力があるのかというのは、実績というものを見ていただくと大体わかることになります。
 そういった意味から、人事管理というもののあり方を、実績主義とかいろいろな表現があるんだと思いますが、従来の年功序列一本やりのものではない方が人物経済上もよろしいのではないかという御指摘は、これは前からあるところであります。
 ただ、これまでの長い歴史の中で、そういったもので、営業成績と違いますので、どうやってその差を出せるんだと言われると、これはなかなか評価の難しい、分かれるところであるのは、職員をしておられましたのでよく御存じのとおりだと思います。私どもといたしましても、それを考えるからこそ、人事院の、いわゆる中労委初めいろいろな第三者機関においてその協議がなされてきたんだ、その長い間の歴史というものも十分に考慮しながら考えていかねばならぬ問題だと思っております。
○佐藤政府参考人 手短にお答えいたします。
 私どもも、今の勤務評定制度の轍を踏まないために、今予定されている能力・実績主義の導入及びそれに伴う評価制度につきましては、やはり徹底した職員の理解と納得性が必要だ、それから労使の協議、話し合いというのも必要だ、これは機会あるごとに口が酸っぱくなるほど言い続けておりまして、ぜひそういう方向でスムーズに導入されることを期待しております。
○稲見委員 このことはこれからも議論していきたいと思います。
 さっきの質問が終わったときにはもう一問ぐらいできるかなと思っていたんですが、総務大臣に丁寧に御答弁いただきましたので時間が来たようでございます。一時金の問題について通告をしておりましたが、その点は割愛をさせていただきます。
 終わります。ありがとうございました。







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