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第2号 平成16年10月22日(金曜日)
十六年十月二十二日(金曜日)
午前九時四十二分開議
出席委員
委員長 実川 幸夫君
理事 左藤 章君 理事 佐藤 勉君
理事 野田 聖子君 理事 森山 裕君
理事 安住 淳君 理事 大出 彰君
理事 松野 頼久君 理事 桝屋 敬悟君
岡本 芳郎君 奥野 信亮君
小西 理君 佐田玄一郎君
自見庄三郎君 田中 和徳君
田中 英夫君 竹下 亘君
武田 良太君 谷本 龍哉君
中馬 弘毅君 津島 恭一君
西川 京子君 西田 猛君
萩生田光一君 浜田 靖一君
原田 令嗣君 平井 卓也君
増原 義剛君 松本 純君
五十嵐文彦君 伊藤 忠治君
稲見 哲男君 内山 晃君
楠田 大蔵君 田島 一成君
田嶋 要君 高井 美穂君
寺田 学君 西村智奈美君
藤田 幸久君 三日月大造君
山花 郁夫君 河合 正智君
長沢 広明君 塩川 鉄也君
高橋千鶴子君 横光 克彦君
…………………………………
総務大臣 麻生 太郎君
総務副大臣 今井 宏君
総務副大臣 山本 公一君
総務大臣政務官 増原 義剛君
総務大臣政務官 松本 純君
政府特別補佐人
(人事院総裁) 佐藤 壮郎君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 磯部 文雄君
政府参考人
(人事院事務総局総括審議官) 佐久間健一君
政府参考人
(人事院事務総局給与局長) 山野 岳義君
政府参考人
(総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君
政府参考人
(総務省行政管理局長) 畠中誠二郎君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 須田 和博君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 高部 正男君
政府参考人
(法務省刑事局長) 大林 宏君
総務委員会専門員 石田 俊彦君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
○実川委員長 次に、稲見哲男君。
○稲見委員 稲見です。
まず、寒冷地手当の見直しについて、人事院にお伺いをしたいと思います。
先ほどからありましたように、指定地域で約四四%指定解除、支給額も約半額になる厳しいものでありまして、寒冷積雪地の公務員の生活にも大きな影響を与えるこんなに大幅な見直しは制度発足以来初めてではないかというふうに考えております。
これは、寒冷積雪地の生計増嵩費等を含めた総合勘案、こういうような考え方からいわゆる民間準拠に変えられたことが大きく影響しているのではないか。そもそも、この寒冷地手当は、戦後、官が先行して制度を整えてむしろ民間に波及したというふうなことであるにもかかわらず、今回、考え方を民間準拠に変えた、その内容を説明いただきたい。
そもそも民間企業が過疎地の山間部などに営業所を置くということは余り考えられない、しかしながら、公務の場合はどんな山奥でも公務サービスを提供しなければならない、それは役場であり、学校であり、あるいは郵便局である、こういうふうに考えます。そういう仕事の特性を配慮した支給地域の指定の考え方があってもよかったのではないかというふうに思っております。あわせて、この点についてもお考えをお伺いしたいと思います。
そして三番目に、今回の見直しで、北海道、東北、特に地域経済が冷え込んでいる地域への影響が大変気になるところでございまして、多くの地方自治体もこの点を心配して、支給地域を維持すべき、こういう議会決議があったり、知事が人事院に要請するなどあったというふうにお聞きをいたしております。人事院がどのような配慮をされたのか。
以上三点、お聞きをしたいと思います。
○佐藤政府特別補佐人 お答えいたします。
まず、なぜ今回、民間準拠を主体としたかということでございますけれども、そもそも寒冷地手当、歴史をさかのぼってみますと、もともとは石炭手当という形で手当てが行われていたというふうに理解しております。例えば、その場合、石炭三トン分。いわゆる生計費増嵩分として、積算が非常にたやすい部分が石炭手当であったわけであります。
一方で、例えば、食糧を貯蔵している間のロスとか、衣服費、あるいは家屋にかかわる費用、これは増嵩分として積算が非常に難しい部分がございまして、そういう部分については、当初からやはり民間に準拠するという考え方があったのではないかというふうに思っています。
そういうことで、実際の生計費増嵩分と民間準拠の部分を総合して勘案するという考え方がずっと続いてきたわけでございます。
しかしながら、最近になってまいりますと、例えば家屋の構造も非常に改善されている。あるいは、東京においても、ほとんどの家庭で例えば床暖房とかファンヒーターとか、そういう暖房施設を持っている。あるいは、夏のいわゆるヒートアイランド現象、熱帯夜のようなことを考えますと、東京においても、夏にはやはりクーラーで冷房するということはほとんどの家庭で行われているというふうに思います。したがいまして、気候条件で、実際に、例えば札幌と東京でどれだけの生計費の増嵩分があるかということを厳密に積算するというのは昨今非常に難しくなってくるのではないかというふうに思っております。
したがいまして、今回の見直しに当たりましては、民間の寒冷地手当の状況を詳しく調べましてそれに準拠するということは、職員にとってもあるいは国民にとっても、非常に納得性を得られる、納得性の高い方法ではないかということで、民間準拠にしたいということで勧告をさせていただいたわけでございます。
それから、二番目でございますけれども、民間に比べて、公務の場合は山の奥にも官署があるではないかということでございまして、これは私ども十分配慮したつもりでございます。したがいまして、本州におきましても、北海道と同程度の気候条件のある地域につきましては引き続き手当の支給対象として残しておりますし、それから、新たに官署指定という方法で、特定の官署が、特に本州において寒いところにあるという場合には、官署指定という形で手当を支給するという方法を今回提案申し上げております。
それから、三番目でございますけれども、今回の寒冷地手当の見直しが地域経済に悪影響を及ぼすのではないかということでございますけれども、実際、各地の地方公共団体の首長さんあるいは地方議会から請願や意見書などを大変多くいただいておりました。私どもとしても、地方の実情は大変よく理解しているつもりでございますけれども、ただ、人事院の立場といたしまして、地方経済ということに軸足を置いて勧告内容を決定するということは、これはなかなかできにくいこと、あるいは、むしろやるべきではないというふうに理解しております。
一方で、今回の見直しは職員にとって大変厳しい結果になったわけでございまして、当然、職員には大変な反対があったわけでございます。先ほど申しましたように、何度も職員団体との話し合いを行いましたが、その結果として、最長六年の経過措置を設けるということで職員側の納得も得たわけでございます。結果といたしまして、最長六年の経過措置を決めたということは、先ほどの地方の自治体の御要望にも結果として沿える部分があったのではないかというふうに今思っておる次第でございます。
○稲見委員 官署指定とか経過措置とか、いろいろ配慮されたということでございますが、いずれにしても、これは人勧制度からいいますと部内均衡の問題なんですよね。つまり、寒冷地の方々のことを思って、そうでないところが原資を友愛配分していくということでありますので、国民の納得、民間準拠というふうなことだけで決められるべきではないのじゃないか、やはり地域経済の問題なんかも配慮するべきでなかったのではないかというふうな感じはいたしております。この点は少しおいておきたいと思います。
それから次に、一時金の問題でありますが、四・三九、〇・〇一カ月というふうな較差でございまして、この春闘結果、あるいは、昨日もこの冬の一時金について、みずほ、第一生命研究所からの報告が出ておりましたけれども、どうも実感として相入れないというふうに思っております。今春闘での一時金にかかわる連合集計は四・八〇カ月というふうなことでございますし、あるいは、日経連の調査でも、金額で、昨年冬が一・六一%、本年夏が二・八五%伸びているというふうなことでございます。
人事院の調査だけがどうしてこのような伸びにとどまったのか、十分納得のいく説明をいただきたいというふうに思います。
○佐藤政府特別補佐人 ボーナスに関しての私どもの民間調査は、ことしから迅速に公務員給与に民間の支給状況を反映させるという趣旨から、従来より半年ずらしまして、民間の前年の冬、それからことしの夏の支給状況を把握することにしております。
その結果でございますけれども、今委員から御指摘があったように、各調査機関の調査結果を見ますと、民間の昨年冬季の特別給、これは大企業を対象とする調査ではプラスとなっている、一方で、中小企業を含む調査ではマイナスとなっているということもございまして、大変ばらつきが多いわけでございます。それから、ことしの夏季につきましても、若干改善はされましたけれども、やはり企業規模によるばらつきというものが見られたわけでございます。
私どもの民間給与実態調査でも、夏の特別給が昨年比で増額となっている事業所が約四割あったわけでございます。一方で、減額となっている事業所も約二割あるわけでございまして、必ずしも全企業が横並び的には改善されていないということでございます。
本年の民調結果は、こういったような民間の支給実態を総合的に反映したものであるというふうに私どもは思っておりまして、結果として、昨年の調査結果を〇・〇一カ月上回ったということでございます。
○稲見委員 前回の閉会中審査のときにも人事院と少しお話をさせていただいたんですが、今、ボーナスについては、春闘時に年間臨給という形で夏と冬を決めるところがあり、秋の労働組合の交渉で冬とその次の年の春、夏を決めるところがあり、またそれぞれに一回ずつ決めるところがあり、三分の一程度ずつだというふうなことをお伺いしております。
そうしますと、この春の労働組合の春闘で、夏、冬というふうに決めたところ、そういうところが業績回復の中で上回って、それが連合集計などにも反映をしているのじゃないかというふうに思います。人事院勧告制度では、先ほどありましたように、前年冬とことしの夏ということで改善がされているわけですが、必ずしも民間の動向をリアルタイムで反映できないというふうな限界がありまして、こういう形で引き続いていきますと、行政業務に対する働きがいにも影響があるということで、その点、今後また調査をさらに精密にしていただきたい、こういうふうに思っております。
次に、地域給与の見直し問題について、これも人事院にお伺いをします。
要するに、政府が骨太方針で下げろと言っているので下げますというふうに人事院として言っているというふうにしか聞こえないと考えております。これでは、独立をした第三者機関、労働基本権の代償措置としての人事院の機能の放棄だというふうに言わざるを得ません。
特に、官民比較の中で、全国的に民間給与と公務員給与は均衡しているわけです。地域格差が拡大をしているとすると、要するに、グローバル企業が勝ち残るために地域を犠牲にしてきている、こういう影響がむしろ出ているんじゃないか。そういう意味では、格差を解消することがむしろ必要であって、地場企業の賃金の底上げとか、パートや臨時職員などの非正規職員の雇用や処遇に歯どめをかけるとか、最賃規制を強化するとか、そういう地域や地場経済を活性化するような施策を打ち出すことがまず優先されるべきであって、人事院が地域給を導入するということはどうも納得できない、こういうふうに思います。
特に、公務員給与の地域における社会的役割、これは私も昔からいろいろ考えてきましたけれども、保護費の算定にも影響がある、あるいは最低賃金制度に影響がある、地場の中小企業を含めて地域経済に影響がある、さらには全体としての公務サービスに影響がある、こういう多方面に影響がありますので、そういう点では、地域を軽視した地域給の導入ということについては、これは行うべきではないのじゃないかというふうに思っております。
今のところの人事院としての考え方をお聞きしたい、こういうふうに思います。
○佐藤政府特別補佐人 地域に勤務する公務員の給与が相対としてその地域の民間の給与よりも高いのではないかという御批判、これは、私どももモニター調査を通じたり、実際に地域に行って有識者の方や地元の中小企業の経営者の方に御意見を伺ってきておりますけれども、この二、三年大変そういう声が強くなってきております。
したがいまして、人事院といたしましても、平成十三年の給与勧告時の報告において、各地域の民間給与をより反映した給与水準とすることにも配慮していく必要があるというふうに問題提起をさせていただきました。それを受けて、十四年九月には、地域に勤務する公務員の給与に関する研究会というものを設置して検討をいただいたわけでございます。
私ども、確かに、地域の給与あるいは地域と例えば東京の大都市とどういう格差を設けるかということは給与の内部配分の問題としてこれまで考えてきたわけでございます。しかしながら、やはり地域の住民の方々に公務員給与は高過ぎるという声が非常に高いということ、これはぜひ私ども真剣に考慮しなければいけないというふうに思っているわけでございます。
したがいまして、今回の報告において、来年の勧告に向けて地域給与の見直しというものをしていこう、それに関してたたき台というものを提示させていただいたわけでございます。
これから一年間ございますので、委員初めいろいろ関係の皆様方の御意見を聞いて、各方面が納得できる結果をこれから探っていきたいというふうに思っております。
○稲見委員 この点は、地域に勤務する職員の生涯生活設計にも重大な影響を与える、また、職務遂行上の意欲にも重大な影響を与えるというふうに考えております。十分に組合とも話し合い、納得のいくような作業を進めていただきたい、こういうふうにお願いをしておきたいと思います。
次に、給与構造の見直しの問題であります。
先ほど大出委員からもありましたので簡単にしますが、過度に年功的な給与制度を見直していくということは当然必要だというふうに私も考えております。職務、職責、実績重視の人事制度に見直すためには、その基盤となる評価制度を公務員に納得性のあるものとして、公平性、透明性、公正性、いろいろありますけれども、機能させるかどうかというのが重要だ、そういう意味では、評価制度の設計や評価基準などについて十分組合と話し合って制度をつくるべきだ、こういうふうに考えますけれども、人事院総裁、いかがでしょうか。
○佐藤政府特別補佐人 私どももただいまの委員の御指摘と全く同意見でございまして、やはり評価制度というものは職員の納得が得られない限りスムーズには動かないということは、これは民間の経験を見ても明らかでございます。したがいまして、今後、中央レベルでもあるいは地方のレベルでも、職員団体とも徹底的に話し合うということがぜひ必要であろう。
それからもう一点、これは公務の世界においては新しい試みでございますので、試行制度というのがぜひ必要ではないか、試行をしながら悪い点は改善していく、そういうやり方がぜひ必要ではないかというふうに思っております。
○稲見委員 試行制度というのはこの後の質問に関連をしますので、公務員制度改革全般にかかわって、今度は麻生総務大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
今総裁からもありましたように、能力、実績を重視した人事制度に変えていくためには、何よりも職員が納得する形で評価制度が機能していかなければならない、当局が一方的に査定するようなやり方ではだめだ、こういうふうに思っております。
そうしますと、評価の仕組みや基準をどうするのか、十分労使で協議をいたしまして、多くの職員が納得していくシステムが必要だし、何よりも公務職場における労使関係を変えていく必要がある、こう思っております。そのためには労働基本権の確立というのが不可欠だ、こういうふうに思っておりますし、先ほどの試行ということもありますけれども、この公務員制度改革と労働基本権の回復、これは出口がやはり一緒でなければならないということが先ほどの大出委員からの質問でもあったのではないかというふうに思っております。
毎日新聞が十月十四日に社説を掲載しております。「労働基本権付与に踏み込め」ということで、全部は読みませんが、「能力・実績評価制度を導入するならば、公務員の労働基本権制約を取り除くことが前提となるはずだ。」「労働基本権の議論を棚上げにした公務員制度改革には無理がある。改革の入り口を基本権問題と位置づけなければ、労働側との協議は進まない。」こういうふうに社説でも述べております。
前回、閉会中審査でもお伺いしましたが、とりわけ国家公務員、地方公務員制度を所管される総務大臣として御認識をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 前半のところでの、能力査定等々のこの種の大きな改革をするに当たっては、労使双方の納得、理解、十分な協議が必要ではないか、信頼関係確立が必要ではないか、全くそうだと思います。
その点に関しては私も同じ意見なんですが、今基本権の話、いわゆる争議権、団体交渉権、団結権、通称労働三権と言われるものですけれども、この労働基本権を含めまして、今いろいろ議論が行われていることと承知をいたしております。これは自民党の方でもやっておりましたので、かなりかかわっておったときにも同じような話があっておりますので、この一年間、直接関与しているわけではありませんけれども、同様に行われているものと思っております。
ただ一方、稲見先生も大阪市の職員等々しておられますのでよく御存じのところだと思いますけれども、基本的に、地方公務員、国家公務員を含めて公務員の場合は、国民の利益、地位の特殊性とか職務の公共性といったようなものも考慮に入れて考えねばならぬ立場にありますので、国民全体の利益の保障という見地から、ある程度の制約は免れ得ぬというところも確かなんだと思っております。
ただ、おっしゃるように、公務員自体もこれは勤労者であることは同じでありますので、その生存権の保障という見地から、よく言われる、労働基本権の制約に見合うものとして人事院制度というものが日本で確立されていわゆる代償措置がとられてきたというのが歴史だと思っております。これは、結構長い制度の積み重ねの中でそこそこ国民にも支持をされていると思いますし、そういう状況を踏まえて人事院の勧告に従って政府としてもいろいろやってきた経緯もありますので、今後とも、労働基本権のあり方は、いわゆる争議権のところを含めましていろいろ問題のあるところだとは思いますけれども、世論を踏まえて、この点につきましても慎重な議論が必要なんだと理解をいたしております。
○稲見委員 前回も韓国の状況を申し上げて、後塵を拝することになるのではないかというふうに申し上げました。
また、友人からいろいろな資料を送ってもらっているわけですが、いよいよ韓国の方はもう法案が提出をされた。そして、これから団結権を認めるかどうかということですから、まだ正式の公務員組合ではないですが、十月二十五日、政府と最後交渉を要請した後、その結果によっては、十一月上旬に二万名のソウル上京ゼネストを計画、民主タクシー連盟、鉄道労組合流、全教組も連帯闘争、民主労総と韓国労総が全面支援、こういうふうな状況に韓国の場合もう至っております。
それから、労働一・五権というふうに前回御紹介しましたけれども、法案をよく読みますと、「団体交渉の結果、合意された事項に法令・予算に優先する効力を認定することは困難である」。これは協定締結権に対して〇・五だというところなんですが、しかしながら、「政府交渉代表にその内容を誠実に履行するようにし、合意事項の履行を保障する。」というふうにも書いてあるわけです。
つまり、議会でそれを給与、労働条件法定主義という形で議決するまでは協定締結権については留保するけれども、それをもって協定締結権についても実質的な機能をさせるというようなことで、そういう意味では、韓国がこれをもって一気に公務員労働運動が進むというようなことも考えられるわけです。
そういう意味では、この公務員制度改革にかかわって、この五月十三日に政労会談で、一方的に法案を提出するようなことはしない、誠意を持って話し合うというふうに約束をしているわけですから、政府と組合及び関係者で、どのような制度がいいのか白紙からきっちり議論をして、この労働基本権の確立の問題についてもぜひ一歩進めていくという努力を麻生総務大臣にお願いしておきたいと思います。
その場合に、これは御存じかどうかわかりませんが、ICFTU、国際自由労連の世界大会が十二月の五日から十日、宮崎で行われます。全国から労働組合幹部が集まってくる。当然ながら、PSI、国際公務員労連もそこに集まってくるというようなことで、お聞きをしますと、これには一国の総理が必ず歓迎演説をするということになっておるようで、そういう意味では、小泉さんはどういう演説をするのか。ILOから何度も勧告を受けて、お隣の国では、一・五権か二権か知らないけれども、これから確立をしていこうという法整備が整う中で、先進国日本がどうなのかということが問われてくるというふうに思うわけです。
この点も含めて、もう一度総務大臣からの御見解をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 韓国の、ゼネストを含めていろいろな御紹介があっておりましたけれども、今申し上げましたように、私どもとしては、やはりこの労働基本権のあり方というのは確かに大きな問題だということはもう十分に理解をしているところです。しかし、これは職務の公共性とか特殊性とか、いろいろな制約がある程度は免れぬというのも事実だと思っております。
したがいまして、公務員も勤労者なんだからということもよくわかっているところなので、そこで日本の場合は、人事院勧告という制度が定着してかなり長いことになってきてそれなりの成果を上げてきておると思いますし、また、時代に合わせて、今回の場合も、この数年間の場合、組合ともいろいろな形で公式、非公式に話を積み重ねるというきちんとした慣例もでき上がっておりますので、今直ちにと言われても、なかなかその点は議論の余地のあるところだと思っております。
いずれにいたしましても、私どもの所管いたします消防におきましても、消防で争議権なんと言われてもなかなかそう簡単にはいかぬところでもありますが、消防においては、職場における委員会というのを各消防局全部でそれぞれ開くようになる等々、いろいろ現実問題として、いわゆる組合との間の交渉等々が進んでおるところでもあります。
私どもとしては、長年の積み重ねの中で国民に支持もされていると思っておりますので、労働基本権の見直しということにつきましては、直ちに今ここで前向きにどうというような立場にはございません。
○稲見委員 先ほど、韓国の状況を少し説明しましたけれども、キム・ヨンギルという全公労、これは公務員組合の委員長の言葉ですが、労働三権とは、団結権、団体行動権、団体交渉権に区別されるものではない、あるものは保障し、あるものはだめだという問題ではない、すべてが労働基本権なんだというような言葉があるわけです。
しかしながら、そこで公務の特殊性であるとか公共性ということを言うならば、どこまで団結権を認めるのか、どこまで団体交渉権を認めるのか、それはお互いの知恵の出し合いだと思うのです。労働三権を全体として回復するということを前提にして、どう議論を進めていくのかということが今必要なのではないかというふうに思っております。そういう意味では、ICFTUの大会もありますので、ぜひ政府の努力を求めておきたいと思います。
ここで終われば格好いいんですが、少しトーンの下がるものをもう一問したいと思います。
三位一体の改革にかかわって、十七年度、十八年度の補助金削減、これは小泉総理が地方六団体に、ある意味では丸投げをした。そして、地方六団体は、いろいろ利害の違うところもありながら、協議機関を設置して、その内容が誠意を持って履行されるならばということで三・二兆円の削減項目を決めて政府に提出した、こういう状況だと思うのです。
恐らく麻生総務大臣は勘違いをしている大臣の中には入っていないと思うのですが、もともと丸投げをしておいて、上がってきたことに対案であるとか抵抗であると言うのは、見苦しいし、失礼な話だというふうに思います。そういう意味では、この三・二兆円の補助金の削減とともに、自主財源をきっちり地方に移譲するというふうなことをぜひお願いしたいと思います。
それを前提にして、ただ、少しここでトーンダウンするんですが、これまでは、補助金がついていて、それにかかわって政省令で行政水準を確保していくということがありました。補助金がなくなれば、この政省令というものも意味をなさなくなるということがあります。
成熟をした制度については、当然ながら、都道府県、市町村で十分住民と議論をしてその優先順位をつけて、行政水準をさらによいものにしていくということがこの地方分権の本旨でもあるし、分権の意味もそこにあると思います。
ただ、成熟をしていない政策、例えば児童虐待の問題であるとかDVの問題、全国格差があって今もまだまだ十分実施をされていない、そういうところに、行政水準をここまでやろうというふうな政府としての主導性といいますか、あるいは音頭取りといいますか、こういうものが全くなくなったときに全国格差がさらに広がってしまうのではないかというふうな危惧が関係団体からいろいろ陳情されております。
そういう意味では、これはお役人さんの頭を切りかえて、政省令ではないけれども、むしろ、アクションプランであったりマスタープランであったり数値目標であったりという形で、全国的にこういう行政水準を発展させていこう、あるいは維持していこうというふうな、何か知恵が必要なのではないかというふうに思っております。
このことはまだ党内でも十分議論をされていないのですが、これから補助金が廃止をされて、各自治体で自主決定権に基づく政策を優先してやっていくということになったときに、こういう成熟をしていない政策について、どういうふうな国としての責任が果たせるのか。この辺、まだこれからいろいろ議論を積み重ねていかなければならない問題だと思いますが、今、総務大臣に少し認識なりお考え方があれば、お聞きをいたしたいというふうに思います。
○麻生国務大臣 いろいろ今御意見が出ておりますのはもう御存じのとおりでして、少なくとも、明治四年、廃藩置県をやって中央集権国家をつくり上げたのを、地方主権、地域主権にその形を変える。これは、平成十二年、いわゆる地方自治法、通称地方分権一括法、あれ以降、流れははっきりしたんだと思っております。例えば、義務教は地方自治事務と法律で定められておりますが、傍ら、今言われた生活保護などは法定受託事務、明確に地方の役割と国の役割はあの法律によって分けられている。もう既に御存じのとおりであります。
したがいまして、それを補足するに当たっては、いわゆる地方が自分でやれる自主裁量権の大きさ、自由度の大きさが大事なところ、その自由度を保障する上で、基本的には規制と、もう一つは多分、それを補う財源というところが欠けておりました部分が、今回、国税から地方税にということで変わりますと、それによって財源がきちんと保障されるというところが今回の提案の一番の趣旨だと理解をいたしております。
したがって、その部分に関しましては、ただ単に率を引き下げるというような、二分の一を三分の一にするとか、いろいろアイデアは新聞を見る限りにおいては出ておりますけれども、それは地方の自由度をふやすことにはならないというのはもう御存じのとおりでありますので、そういった意味では発想の切りかえが必要なんだと思います。
私ども、書いている新聞の方も理解していないで書いているところもあるので、さらに読んでいる人はもっと混線される点は否めないところだとは思いますが、いわゆる補助金を切ると申し上げているのは、それは事業を切るというのと直結しているように思われますけれども、それはもう趣旨をねじ曲げておられるか全然理解されておられないか、どちらかでありまして、事業の継続が前提です。その事業を継続するために必要な財源を、国税でやっていた分を地方税に渡すというのが、この三兆円の税源移譲の大前提ということになると思っております。
次の質問は、多分、そうなれば、大阪はいいけれども、ほかのところはどうする、大阪市は人口比に合わせて来ますからいいけれども、ほかのところは知らぬでということになり得るのですが、そこのところは、十七年、十八年度に限りましては、幾ら町村合併が進みましても、地域格差が出るということは避けがたいところであろうと思います。
人口比だけで地方税を割るということになっておりますので、そういった意味では、地方税というものに関しましては、人口の少ない過疎地におきましては、補助金の方は一億来たけれども、地方税になったら五千万しか来なかったという例は多分いっぱい出ます。その分の差額につきましては、地方交付金等々で埋めねばならぬというのを前提にして、前回の地方六団体に交渉をするという話をさせていただきましたときにも、それを前提にして地方六団体は話をまとめておられるというぐあいに理解をしております。
地方も、これは御存じのように、大阪府と大阪市は違いますし、もちろん大阪府と茨木市とも違いますので、全国三千百あります地方団体とよく言われますが、その中で県と市町村とは、また同じ地方団体の中でも、補助金を出す側と出される側と差があるというのももう先生よく御存じのとおりでありますので、そういったものを踏み越えて、今回のまとめた案に出てきておるという背景を考えまして、少なくとも、これをまとめるのは大変だったろうというのは想像にかたくないところです。
そういった意味では、総理の発言をそのまま使わせていただければ、地方六団体の提案を真摯に受けとめという言葉を、地方六団体の前で一回、財政諮問会議に地方六団体を置いてもう一回、重ねて発言をしておられますし、官房長官からも同等の指示が各大臣に出ております。このところ、地方六団体とも過去二回にわたって各省大臣との折衝にも同席しておりますけれども、いろいろ御意見が出ておりますが、地方としての意見は従来と変わらず一貫しておりますので、その方向でまとめていきたい、私自身としてはそう考えております。
○稲見委員 時間が来ましたから、終わります。
六団体の提言については、積極的に受けとめていただいているという点は感謝をいたします。ただ、後段言いましたのはちょっと誤解があるのです。ハードのことじゃなくて、財源のことじゃなくて、政策内容のことについていろいろ工夫が必要じゃないかということで、これはこれからの議論になろうかと思いますので、また改めてやりたいと思います。
○麻生国務大臣 代替案を出せということを申しております、ほかの省庁に対しては。地方の出してきた案にかわる案を言うというような場合は、地方も納得するようなもっといい案を出せ、いい案が出ない限りは難しいですよという話は申し上げておりますが、その質問と違いますか。(稲見委員「違うんです」と呼ぶ)もう一回、言ってください。どうぞ。理事がいいと言うんだから、大丈夫ですよ。
○稲見委員 ちょっと、これは議事録に残るので正確にしておきたいんですが、DVであるとかあるいは児童虐待について、それを救済するような機関であるとか相談員であるとか、いろいろなことを十分にやっている市町村もあり、なかなかそれが進んでいない市町村もある。しかし、補助金という形で出しているがゆえに、最低限のナショナルミニマムに今から到達をしていこうとしている。しかしながら、補助金がなくなると、今余りしたくないというところは、こういう問題をしたくないということじゃないんですが、それが優先順位として下がって、全国格差が広がってしまうんじゃないか、人権や命にかかわる施策が全国的に統一的に進まなくなるんじゃないか、その知恵を、政省令じゃなしに、何か国として出していかなければならないんじゃないかという問題意識を持っているということです。
○麻生国務大臣 個別法令が明確にできておらぬというお話なんだと思いますので、おっしゃるとおり、各市町村によって格差があるのは確かです。そういった意味では、その点を十分に配慮する等々のやり方を別途考えないかぬところだと思っております。
○稲見委員 終わります。
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