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011  衆議院予算委員会第7分科会(経済産業省所管)
 
第162回第1号  2005.02.25  「核燃料サイクル」 について




第1号 平成17年2月25日(金曜日)

本分科会は平成十七年二月二十二日(火曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十四日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      甘利  明君    石原 伸晃君
      尾身 幸次君    茂木 敏充君
      島   聡君    長妻  昭君
      米澤  隆君
二月二十四日
 茂木敏充君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成十七年二月二十五日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席分科員
   主査 茂木 敏充君
      甘利  明君    石原 伸晃君
      鈴木 淳司君    島   聡君
      樽井 良和君    長妻  昭君
      長安  豊君    米澤  隆君
   兼務 菅原 一秀君 兼務 
稲見 哲男君
   兼務 辻   惠君
    …………………………………
   経済産業大臣       中川 昭一君
   内閣府副大臣       七条  明君
   経済産業副大臣      小此木八郎君
   経済産業大臣政務官    平田 耕一君
   経済産業大臣政務官    山本 明彦君
   政府参考人
   (内閣府産業再生機構担当室長)          藤岡 文七君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 塩沢 文朗君
   政府参考人
   (内閣府原子力安全委員会事務局長)        上原  哲君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局参事官)            大藤 俊行君
   政府参考人
   (総務省情報通信政策局長)            堀江 正弘君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           木谷 雅人君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           宮本 武史君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局長)            石毛 博行君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局長)          豊田 正和君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 小平 信因君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     松永 和夫君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    望月 晴文君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局次長)           平田憲一郎君
   政府参考人
   (国土交通省道路局次長) 増田 優一君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 福井 雅輝君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  永田 俊一君
   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件
 平成十七年度一般会計予算
 平成十七年度特別会計予算
 平成十七年度政府関係機関予算
 (経済産業省所管)

     ――――◇―――――

○石原主査代理 次に、稲見哲男君。

○稲見分科員 民主党の稲見哲男でございます。大臣、初めまして。よろしくお願いします。
 まず感想を少し申し上げたいんですが、きょうも大臣の後ろにたくさんのお役人がおいででございます。
きのう夕刻にいわゆる質問取りというのがあったわけですが、内閣府、経済産業省、文部科学省、私の部屋に二十人余りの方がおいでになりまして、改めて、原子力発電あるいは核燃料サイクルについてたくさんのお役所が推進にあるいは規制に携わっておられるんだなということに驚いたわけでございますが、逆に考えますと、こういう国家戦略というふうに言われているものについて、むしろ余りにも細かく縦割りになってしまって、組織というのは生成されてきた過程というのはあるんでしょうけれども、もう少し統一的な司令部といいますか、そういうものが要るのではないかなというふうな気が昨日はしました。
これは感想として冒頭に申し上げておきたいと思っております。
 それから、質問の前提に少し数字を申し上げますので、それを前提にしていいかどうかということでお聞きをしておきたいと思います。
 現時点で貯蔵されている使用済み核燃料の総量が一万一千百七十トン、年間の使用済み核燃料のこれからの発生が約千トン。
現在の分離プルトニウムの量が使用済み核燃料の約一%発生をする。
高レベル廃棄物の量は使用済み核燃料の約五%発生をしてくる。
それから、使用済み核燃料の貯蔵施設の容量が約一万七千トン分、高レベル廃棄物、ガラス固化体の貯蔵施設容量が、計画中のものを含めて六ケ所村で一万一千百十五本分。
それから、国内、海外で管理をされておりますプルトニウムの量が、国内で五・四七五トン、海外で三十五・一六八トン。
高レベル廃棄物の中間貯蔵量としましては八百九十二本、返還予定を含めますと二千二百本ということで、きのう、申し上げた事務方の方とは確認をしたわけですが、これを前提に質問をさせていただいてよろしいでしょうか。

○小平政府参考人 今先生から御指摘のございました数字でございますけれども、中間貯蔵されております使用済み核燃料でございますが、これは全国の原子力発電所に貯蔵されている使用済み燃料というふうに理解をさせていただきますと、先生が今御指摘になりました数字は当庁において把握をしておりますものと同じでございます。
 なお、分離プルトニウムの量は使用済み核燃料の約一%、高レベル廃棄物の量は使用済み燃料の約五%という数字を御指摘になりましたけれども、これは、装荷前の燃料のウラン濃縮度が四・五%、使用済み燃料の燃焼度が一トン当たり四万五千メガワット・デーというふうにして計算をした場合の一つの例であるというふうに承知をいたしております。

○稲見分科員 では、質問を始めさせていただきます。
 まず、核燃料サイクル、いわゆる再処理の問題につきまして、中間取りまとめでシナリオ一の全量再処理、こういうふうにされているわけですが、必ずしもそういうふうになっていないのではないか、むしろ部分再処理というふうなことで言えるのではないかというふうに思っております。
 と申しますのは、六ケ所村の再処理が来年七月に予定どおり始まりましても、一〇〇%フル稼働したとして、現在貯蔵されている使用済み核燃料には手が回らない。
毎年千トン出てくる使用済み燃料のうち八百トンを処理して、毎年二百トンずつがオーバーフローしていく。
事業者が予定をしておりますこの六ケ所村の再処理工場が四十年稼働ということになっておりますから、むしろ中間貯蔵はさらに八千トンふえて二万トンを超えていく。
一方で、再処理は八百トン掛ける四十年で三万二千トンということですが、これは、事故や故障による稼働率によっては貯蔵するものとの逆転が起こっていくというふうなことであります。
 シナリオ一の全量再処理とした中間取りまとめに妥当性があるのかどうか、このことをまずお聞きをしたいと思います。
 それから、四十年間フル稼働をするとして、回収されるプルトニウム量、発生する高レベル廃棄物、ガラス固化体の総量ですが、プルトニウムで三百二十トン、高レベル廃棄物で千六百トン、固化体で約四万本、こういうふうに上ると考えますが、この点、どうでしょうか。

○塩沢政府参考人 原子力委員会の事務局といたしまして、中間取りまとめの内容を御説明いたします。
 原子力委員会の新計画策定会議においては、御指摘のとおり、十一月十二日の会議におきまして、核燃料サイクル政策に関する総合的評価の積み重ねの結果として、使用済み燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とする中間取りまとめを行ったところでございます。
 この中間取りまとめにおきましては、以下本文を引用いたしますが、「当面は、利用可能になる再処理能力の範囲で使用済燃料の再処理を行うこととし、これを超えて発生する使用済燃料は中間貯蔵することとする。」とされております。
また、「中間貯蔵された使用済燃料の処理の方策は、六ケ所再処理工場の運転実績、高速増殖炉及び再処理にかかる研究開発の進捗状況、核不拡散を巡る国際的な動向等を踏まえて二〇一〇年頃から検討を開始する。」「この検討は」さっき申し上げた「基本方針を踏まえ柔軟性にも配慮して進めるものとし、その処理に」、これは中間貯蔵された使用済み燃料の「処理に必要な施設の建設・操業が六ケ所再処理工場の操業終了に十分に間に合う時期までに結論を得ることとする。」としております。
 したがって、六ケ所再処理工場の能力を超えて発生し中間貯蔵された使用済み燃料についても、最終的には再処理されるものであります。

○稲見分科員 コメントは最後に大臣に申し上げるとして、質問を続けたいと思います。
 次に、東海村の再処理工場についてでありますが、歴史としては、試験開始から二十八年が経過をして、三年間事故で停止をしておりますけれども、百二十トンの処理能力にもかかわらず、本格稼働をした昭和五十六年、八一年から二十五年間で再処理できた総量が千六十七トンにすぎない。
本格稼働以降の毎年の稼働率を明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。
 あわせて、千六十七トンの処理があれば、高レベル廃棄物が約五十トン発生をしておりまして、ガラス固化体にすれば最低千本以上が出ているはずでありますけれども、現在百五十本が製造したといいますかでき上がったということで、余りにも少ない。
どうしてか。
固化できない高レベル放射能廃液が幾ら、どこにあるのかということも含めまして、お答えをいただきたいと思います。

○木谷政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、東海再処理施設でございますが、その処理能力、先生御指摘のとおり、年間百二十トンということでございますが、定期検査や保守作業、機器のメンテナンス等のため、年間九十トンを目標に処理を行ってきたところでございます。
しかしながら、アスファルト固化処理施設における事故後、平成十二年に運転を再開した後は、六ケ所再処理施設への技術支援を重視しつつ要員を確保することとし、平日のみの運転を行う等運転体制を見直した結果、年間の処理量を四十トンを目標としてございます。
実際には、平成十二年度十四トン、十三年度三十四トン、十四年度二十五トン、十五年度二十八トン、十六年度は二月十八日現在までで三十トンを処理しているところでございます。
 この処理施設で発生いたしました高レベルの放射性廃液につきましては、まず東海再処理施設内の廃液貯槽において安全に管理され、その後にガラス固化体に処理されることとしております。
この高レベル放射性廃液を安定な形態に固化するためのガラス固化技術につきましては、平成七年よりガラス固化技術開発施設での実証試験が開始され、順次貯槽内の廃液をガラス固化し、同施設への保管を進めているところでございます。
そういう意味で、昭和五十二年に再処理施設は運転を開始しておりますが、固化が始まったのは平成七年からということでございます。
 昭和五十二年の運転開始以来生じた高レベル廃液は約五百十六立方メートルでございますが、そのうち約百立方メートルにつきまして、これまでガラス固化体百五十体に処理され、保管されてございます。
残りの高レベル廃液約四百十六立方メートルがあるわけでございますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、当該処理施設内の廃液貯槽において安全に管理をされているところでございます。

○稲見分科員 おっしゃっていただいたように、いただいた資料によると、五年間の平均が二一・八%の稼働率、こういうふうになるわけです。
RアンドDを中心に運用しているといっても、余りにも稼働率が低過ぎるんではないかという感じがいたしております。
さらに、今お聞きをしましたように、百二十トンの能力は九十トンにし、さらに六ケ所村との関係で四十トン、平日だけとおっしゃいますけれども、もともと設計時は、この東海村の再処理工場、二百十トンだったと思うんですね。
そうすると、結局、技術的になかなかうまくいかないという結果がこういう稼働率にあらわれているんじゃないかというふうに思っております。
 しかも、ガラス固化が平成七年から始まったということにしますと、まさに、ガラス固化という、ある意味では安全な保存方法、貯蔵方法ができない前からどんどん高レベル廃液が発生をしておったということで、この点についても非常に問題があるんじゃないかというふうに思います。
特にガラス固化技術は、ある意味ではお粗末と言わざるを得ないんじゃないか。
この技術が六ケ所村に人的にも技術的にも移転されているということであれば、六ケ所村の再処理工場の今後の稼働に向けた安全性や処理能力が信じられるのかというふうな感想を少し持つところであります。
 次の質問をさせていただきます。
 貯蔵施設でありますが、先ほど申し上げましたように、使用済み核燃料の貯蔵施設は六ケ所村を含めて二万トン分、再処理を行っても四十年後には不足をするという結果になります。
稼働率が落ちればもっと早く不足をする。
高レベルガラス固化体に至っては、現在計画中のものがすべて建設されても、建屋内の部分を除きますと一万八百本となりますから、これに対して、海外から返還されるもの二千二百本を含めて四万本以上、どうするのか、こういうふうな問題があります。
 全量再処理の根拠の一つに、使用済み核燃料の貯蔵が全国の原子力発電所でできなくなれば全国の原発をとめなければならない、こういうものも一つの理由として言われておりました。
そういうことからいうと、いずれにしても貯蔵施設が不足をするというふうなことでは同じではないか、こういうふうに感じるんですが、その点、いかがでしょうか。

○小平政府参考人 昨年の秋に取りまとめられました原子力委員会の中間取りまとめにおきましては、「当面は、利用可能になる再処理能力の範囲で使用済燃料の再処理を行うこととし、これを超えて発生する使用済燃料は中間貯蔵すること」とされております。
 この場合の中間貯蔵と申しますのは、原子力の発電所の敷地外に新たに中間貯蔵のための施設をつくる、これを中間貯蔵というふうに呼んでいるわけでございますけれども、現在、民間事業者は、中間貯蔵を行いますために、そのための施設の立地を進めているところでございまして、政府といたしましても、今後必要となります中間貯蔵施設の円滑な立地が確保されますように、施設の必要性などにつきまして国民の皆様にわかりやすく説明し、国民の皆様や立地地域の理解を得るための広聴・広報活動に着実に取り組んでまいる所存でございます。
 また、再処理に伴いまして発生する高レベル放射性廃棄物、ガラス固化体の貯蔵でございますけれども、これにつきましては、事業主体でございます日本原燃株式会社が、六ケ所再処理工場が稼働いたしました後に、発生量に応じまして、適切な時期に貯蔵施設の増設を行っていく計画であるというふうに承知をいたしております。

○塩沢政府参考人 先生の御質問の、全量再処理の根拠の一つに関することについて御説明をさせていただきます。
 原子力委員会の行った評価におきましては、使用済み燃料の中間貯蔵施設の必要数について、直接処分の場合には、発生する使用済み燃料を直接処分するまでの間、約五十年間の冷却が必要であるということでございますので、この間発生するすべての使用済み燃料を中間貯蔵する必要がございます。
このために、二〇五〇年までに五千トン規模の中間貯蔵施設を約九から十二カ所必要というふうに試算しております。
 一方、再処理の場合には、再処理能力の範囲で使用済み燃料の再処理が行われるため、必要な施設数は三から六カ所というふうに試算されておりまして、この点において再処理の方に優位性があると評価しております。
 加えて、直接処分の場合、まず第一に、現時点におきましては、我が国の自然条件に対応した技術的知見の蓄積が欠如しておりますことから、使用済み燃料の最終処分場を受け入れる地域を見出すことは一層困難であると考えられること、二番目に、これまでに再処理を前提に進められてきた立地地域との信頼関係が損なわれ、中間貯蔵施設の立地が滞る可能性がある等の問題があると評価をしております。
 いずれにいたしましても、中間取りまとめをまとめるに当たりましては、使用済み燃料の中間貯蔵施設の必要量のみならず、エネルギーセキュリティー、高レベル放射性廃棄物の発生量等の環境適合性等の幅広い視点について総合的観点から原子力委員会において評価を行ったものでございまして、その結果として、使用済み燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とする中間取りまとめを行ったものでございます。
    〔石原主査代理退席、主査着席〕

○稲見分科員 この中間貯蔵施設についてはいずれにしてもつくっていかなければならないということであるわけですし、再処理の優位性というものをそのことだけで言うのは無理じゃないかなという気はしております。
 それから、直接処分の技術的知見については、やはりこれまで全く蓄積されてこなかった。
いずれにしても、高レベル廃棄物の最終処分を含めて技術的知見の必要性があるわけですから、そこを努力した上で、再処理自身が本当にいいのかどうかということはもう一度考えるべき問題ではないかなというふうに思っております。
 今の六ケ所村の中間貯蔵施設についてお伺いをします。
 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターB棟、ガラス固化建屋、第一ガラス固化体貯蔵建屋東棟、同西棟、ここの崩壊熱の除去解析の誤りについてでありますが、安全・保安院の審査の後、原子力安全委員会で審査が行われましたけれども、その認可の権威が崩れているのではないか、こういうふうに思っております。
 崩壊熱の除去解析は、設計のときの基準とか目標とかということではなしに、原燃からは解析結果として参考資料が提出されております。
これを前提に審査したということであり、この結果について誤りがあったということは、意図的であるかどうかは別にして、原子力安全委員会をだました、あるいはだまされた、こういうことになるのではないか、審査をやり直すことになるのではないかと思いますが、いかがか。
 それから、このことがわかりました一月十四日、あるいはその結果が出ました一月二十八日以降、日本原燃に厳重に抗議をしたのか。
いいかげんな資料で審査をさせられる委員の方が迷惑だと思います。
審査方法など、これから厳密にしていくという改善策などを持っておられるのか。
この点もお聞きをしたいと思います。
 それから、これにちょっとかかわりまして、既に稼働しておりますA棟の実際のガラス固化体の中心温度についてでありますが、設計どおりの温度が保たれていないということも言われております。
少量貯蔵をしたときに四百九十七度であったというふうに聞いているんですが、定期点検時等の温度の結果を教えていただきたい、こういうふうに思います。

○上原政府参考人 お答え申し上げます。
 御案内のとおり、私どもがやっている安全審査は、非常に基本的な考え方、基本設計とその基本設計に基づく基本方針を議論いたしてございます。
したがいまして、具体的に申し上げますと、高レベル廃棄物の貯蔵施設、その当該施設が適切なる冷却機能を有するかどうかということが判断の中心となるわけでございます。
 今回のケースでは、ガラス固化体から発生するいわゆる崩壊熱が自然循環によりまして除去されるという方法を採用するわけでございますが、その採用した設計が適切な冷却を行う設計、方針であることを安全審査において確認しているところでございます。
それで、それ以降のいわゆる後続規制でいろいろな詳細な設計なり工事方法等が決まるわけでございまして、まず事業者は、安全審査を終わった後で設置許可を受けた段階で具体的な施設の設計その他を定めるわけでございます。
 今回の事象につきましては、事業者が設計変更するというふうに承知いたしてございますが、そういう当該事象が、先ほど申しました基本設計に該当する、ないしは基本方針、基本設計の考え方に該当するかどうかという点が重要になるわけでございまして、例えば、自然循環などの冷却方式の変更など、そういうものが必要であるかどうかというのが一つの大きな判断根拠になるわけでございまして、現時点におきましては、そういう変更にかかわるものでないとするならば、安全審査をやり直す必要性はないと考えてございます。
 それから、私ども、そういう後続規制の取り組みでございますが、規制調査という制度が一昨年からできてございまして、その中で、当然今回の事象につきましては、一月三十一日に原子力安全委員会といたしましても保安院の方から報告を受けてございますし、それ以降につきましても、規制調査という手段を用いまして十分監視、監査の観点から安全性担保に向けて努力していきたいと思ってございます。
 以上でございます。

○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 既に建設がされて貯蔵が開始されておりますA棟の方につきまして、一本だけ貯蔵したときの温度が四百九十七度、あるいは定期点検等の温度の結果はどうなのか、こういう御指摘でございます。
 このA棟の事業許可申請添付書類におきまして、これは日本原燃が提出した資料でございますけれども、ガラス固化体の温度が最も高くなるケースとして、二・五キロワット、これは発熱量を二キロワットに規制しておりますが、ガラス固化体一本を収納した状態でガラス固化体の温度を計算しております。
実は、これは自然冷却でございますので、温度差を利用して空気の流れをつくり出すわけでございますので、ガラス固化体一本を収納したケースというのがいわば一番厳しいケースになるわけでございますけれども、その際、この申請書類におきましては、表面温度が三百二十度、中心部温度で四百七十度ということでございます。
 先生御指摘の四百九十七度というのは、この段階での当時の原子力安全委員会における二次審査のときに別の手法を用いたクロスチェックの解析の結果、これが四百九十七度ではないかと思います。
 これがどうかということで検証したわけでございますけれども、建屋の使用前検査におきまして、模擬発熱体で貯蔵条件を模擬して検査をいたしました。
二・五キロワットの模擬発熱体を一本収納したときの容器表面温度、これは二百五十度になりました。
したがいまして、ただいま申し上げました原燃の添付書類の三百二十度と比較いたしましても、かなり適切な温度で冷却されているということを確認いたしております。
 さらに、定期検査、これは一年に一回行っております施設定期検査でございますけれども、最新の平成十六年度の検査におきまして、第一貯蔵ピットの収納本数が最大管理能力に近い状態、これは七百二十本に対して七百十一本が収納されている状態でございます。
これは、収納管のベースでいきますと、収納管一本に九段重ねて置きますので八十本の収納管がある、こういう状態を御想像いただきたいと思いますけれども、その段階で検査をいたしました。
その際のガラス固化体の冷却性能検査でございます。
 これは、地下に埋められております収納管に近づいて温度を実測するということは当然のことながらできませんので、冷却空気の流れの出口温度と入り口温度の温度差につきまして計算しまして、それから、解析上想定をされております温度差との比較において十分な冷却がされているかどうかを検証する、こういう手法をとっておるわけでございます。
 すべての収納管でこれらの比較を行っておりますが、この実測値の温度差が最大となるもので四十三度というふうに定期検査で検証されております。
計算上の温度差は九十八度でございますので、これに比べましても十分下回っておりますので、ガラス固化体が適切に冷却をされているということをこの定期検査の方で確認をさせていただいております。

○稲見分科員 前段の設計ミスの問題は、おっしゃっているようなレベルでなくて、地元の方では大変な批判が出ているということだけお伝えをしておきたいと思います。
東京では余り新聞に載っておりませんが、現地の東奥日報であるとかあるいはデーリー東北であるとか、毎日新聞であるとかを見ますと、MOX燃料の燃料工場の立地問題で県の議会の全員協議会とか県の原子力政策懇談会が開催をされておりますが、そこで、その問題よりも、国が審査をしたのが全く違っていたのなら、国の責任はひどい、あるいは企業丸投げでそういう解析結果を丸のみしてしまうのは問題だとかいうふうな批判が大変出ているということについては、お伝えをしておきたいと思います。
 ちょっと時間が迫ってまいりましたので、浜岡の原発の件について一つお聞きをします。
 浜岡原発の耐震補強工事について新聞に発表されたものを見ておったわけですが、これについて政府から指導助言を行ったことがあるのか。
あるいは、運転停止を求める署名活動であるとか、差しとめ請求であるとか、後ほど聞きますいわゆるPSA、確率論的安全評価についての新聞報道など、こういうものが影響したというふうに政府の側で考えておられるのか。
 それから、このPSAについてでありますが、三つの原子力発電所を想定した試算、これは大飯と福島と浜岡、こういうふうに推定されるわけですけれども、それぞれの炉心損傷事故の確率はどうか、最も低い発電所と最も高い発電所を比較すると何倍になっているのか、このことを試算された結果を教えていただきたいと思います。
 それから、PSAは、日本というのは全世界の〇・一%の地表面積で一割の地震を体験するという地震大国でありますから、そういう意味では、原子力発電所の安全性を考える場合に、このPSAは重要な手法だというふうに考えております。
これからどういう形でこのPSAを、安全基準を点検していく場合に採用していくというふうな形になっていくのか。
試算をした全国の原発について、そういう試算なり点検、分析をいつされるのか、この点についてお聞きをしたいと思います。

○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 浜岡原発の耐震補強工事でございますけれども、先般、中部電力から浜岡原子力発電所の耐震補強工事についての発表がございましたけれども、これは、耐震安全性の一層の向上を目指して自主的に実施の判断をしたものだというふうに承知をしております。
したがいまして、原子力安全・保安院といたしましては、今回の決定につきましての特段の指導助言等は行っておりません。
 また、その背景についての御指摘でございますけれども、どうした背景があったのかということについて保安院として承知をしておりませんけれども、中部電力によりますと、今先生も御指摘のとおりでございますが、原子力安全委員会におきまして平成十三年七月から開始をされております耐震指針改定の審議、これが一つの契機になりまして、自主的に実施をすることを決定したというふうに承知をしております。
 それから、その次に御指摘をされました炉心損傷事故の確率につきましての問題でございます。
 これは昨年、一部の新聞で報道されたものでございますけれども、一昨年、関係する財団法人が取りまとめまして、現在、独立行政法人原子力安全基盤機構、JNESに引き継がれている報告書に関するものだと思います。
 この報告書に記載されております数値は、個別のプラントのデータを用いたものではございません。
標準的な原子力発電所の公開データを用いて計算をしたものでございます。
また、その目的も、今先生御指摘のPSA的な手法というものが成立するのかどうかということについての、手法の開発のための一環として出されたものでございます。
 したがいまして、このような数値を用いまして、具体的にどのサイトがどのサイトに比較してどういう倍率になっているのかということを比較すること自身、適当なことではないというふうに承知をしております。
 それから、今後のPSAの方針でございます。

○茂木主査 簡潔にお願いします。

○松永政府参考人 私ども原子力安全・保安院といたしましても、PSAの検討には積極的に対応していきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、耐震設計指針につきまして、現在、原子力安全委員会でもその見直しの検討が行われておりますけれども、その検討結果を踏まえまして、耐震安全性のいわば検討、対応に的確を期してまいりたいというふうに考えております。

○稲見分科員 時間が参りましたので、最後に、委員長の御了解をいただければ、大臣に一言だけお聞きしたいと思います。

○茂木主査 時間が来ております。

○稲見分科員 そうですか。
では終わりますが、きょう、再処理について幾つか質問をさせていただきました。
きょうは質問しませんでしたけれども、プルトニウムの利用の問題とか、「もんじゅ」の、いつから本当に動くのかというようなこと、それから、バックエンドコストの直接処分の問題についても、火力の炊き増しや政策変更コストを加えて、無理に帳尻を合わせているんじゃないかというふうな気もいたしております。
 これから、再処理についてさらに議論を深めていきたいというふうな気持ちがしておりまして、最後に総括的に大臣にお聞きをしたいと思いましたが、時間が来ましたのでこれで終了させていただきます。

○茂木主査 では、大臣、簡潔にお願いします。

○中川国務大臣 いろいろな御意見は承知しておりますし、また、政府としては、エネルギーの中での核燃サイクルも含めた原子力エネルギー政策を着実に進めてまいりたいと考えておりますが、その大前提としては、安全性、そしてまた地元を初めとする国民の皆様の御理解、そのための説明も含めました、安全性を中心とする我々政府としての最大の努力が今後とも必要であるということを改めて申し上げたいと思います。

○稲見分科員 どうもありがとうございました。終わります。

○茂木主査 これにて稲見哲男君の質疑は終了いたしました。


    ―――――――――――――








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