| No. | 会 議 名 | 号 数 | 開 催 日 | タ イ ト ル | ||||||
| 014 | 衆議院 決算行政監視委員会第四分科会(法務省所管) |
第162回第1号 | 2005.04.25 | 「中国残留日本人孤児・難民の問題」について | ||||||
第1号 平成17年4月25日(月曜日) 本分科会は平成十七年四月十三日(水曜日)委員会において、設置することに決した。 四月二十二日 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。 遠藤 武彦君 後藤 茂之君 谷川 弥一君 福井 照君 山本 拓君 岡島 一正君 末松 義規君 橋本 清仁君 山名 靖英君 四月二十二日 山名靖英君が委員長の指名で、主査に選任された。 平成十七年四月二十五日(月曜日) 午前十一時開議 出席分科員 主査 山名 靖英君 後藤 茂之君 谷川 弥一君 福井 照君 山本 拓君 稲見 哲男君 末松 義規君 田村 謙治君 長島 昭久君 山井 和則君 渡辺 周君 兼務 田端 正広君 ………………………………… 法務大臣 南野知惠子君 国土交通大臣 北側 一雄君 法務副大臣 滝 実君 国土交通副大臣 蓮実 進君 法務大臣政務官 富田 茂之君 会計検査院事務総局事務総長官房審議官 佐野 洋君 会計検査院事務総局第三局長 高山 丈二君 政府参考人 (総務省大臣官房審議官) 小笠原倫明君 政府参考人 (総務省政策統括官) 鈴木 康雄君 政府参考人 (法務省民事局長) 寺田 逸郎君 政府参考人 (法務省人権擁護局長) 小西 秀宣君 政府参考人 (法務省入国管理局長) 三浦 正晴君 政府参考人 (外務省大臣官房参事官) 小井沼紀芳君 政府参考人 (外務省経済局長) 石川 薫君 政府参考人 (厚生労働省大臣官房審議官) 大槻 勝啓君 政府参考人 (厚生労働省職業安定局次長) 高橋 満君 政府参考人 (国土交通省大臣官房審議官) 大口 清一君 政府参考人 (国土交通省都市・地域整備局長) 竹歳 誠君 政府参考人 (国土交通省河川局長) 清治 真人君 政府参考人 (国土交通省道路局長) 谷口 博昭君 政府参考人 (国土交通省住宅局長) 山本繁太郎君 政府参考人 (国土交通省港湾局長) 鬼頭 平三君 政府参考人 (国土交通省航空局長) 岩崎 貞二君 政府参考人 (国土交通省政策統括官) 上野 宏君 政府参考人 (住宅金融公庫総裁) 望月 薫雄君 法務委員会専門員 小菅 修一君 国土交通委員会専門員 亀井 為幸君 決算行政監視委員会専門員 奥村 卓石君 ――――――――――――― 本日の会議に付した案件 平成十五年度一般会計歳入歳出決算 平成十五年度特別会計歳入歳出決算 平成十五年度国税収納金整理資金受払計算書 平成十五年度政府関係機関決算書 平成十五年度国有財産増減及び現在額総計算書 平成十五年度国有財産無償貸付状況総計算書 (法務省、国土交通省所管及び住宅金融公庫) ――――◇――――― ![]() 決算行政監視委員会第4分科会で、答弁に立つ南野法務大臣。質問者(うしろ姿)稲見哲男。 ○山名主査 これにて渡辺周君の質疑は終了いたしました。 次に、稲見哲男君。 ○稲見分科員 民主党・無所属クラブの稲見哲男でございます。きょうは、中国残留孤児の問題と難民の問題で御質問をさせていただきます。 この問題につきましては、昨年の三月の二日に、予算委員会の分科会で私が、そして、ことし二月の二十五日に、同じく予算委員会の分科会で同僚の藤田一枝代議士が御質問をしております。特に藤田一枝議員は、熊本県在住の井上鶴嗣さんの二家族七人の裁判にかかわって南野大臣に質問をいたしました。その後、三月七日の福岡高裁の判決を受けて、南野法務大臣は上告を断念された、こういうことでございまして、改めて二月二十五日の議事録などを読ませていただきますと、大臣の決断を率直に評価したい、こういうふうに考えております。 私は、この問題は、難民認定やその他の在留資格の審査と違って、戦後処理の大きな課題の一つだ、こういうふうに考えております。今回の判決を契機に、継子、養子問題について最終的な決着を図るべきだ、こういうふうに考えておりますけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。 ○南野国務大臣 中国残留邦人の継子、養子に関する事案について、これは一般論として申し上げるわけでございますが、中国残留邦人の方々が中国に残留されることとなった歴史的経緯や事情など、これは福岡高裁判決の指摘する趣旨を踏まえまして、実子同然に育ったか否かなどの家族としての実態等、個別の事情も十分考慮しながら、今後とも適切に取り扱ってまいりたいと思います。 ○稲見分科員 今、大臣の方からも、判決の趣旨を踏まえて、こういうふうなことでございました。少し引用をしたいと思います。 日本国自身の過去の施策にその遠因があることが留意されなければならない。当時の国策だった開拓民大量入植計画、日本の引き揚げ政策が奏功しなかったこと、終戦後三十六年でようやく中国残留孤児の集団訪日調査が行われ、九四年に至って円滑な帰国促進などを目的にした帰国者支援法が公布された。このような救済措置は、結果的に何とも遅きに失した感を否めない。外国人の連れ子を未成年者に限定をしている。中国残留邦人の場合、実子同然に育った者も、引き揚げ措置のおくれによって在留資格を取得できない不合理が生じ、支援法の趣旨が没却するおそれがある。 こういうふうに指摘をいたしております。 この内容は、私が昨年の予算委員会で申し上げたことと全く同趣旨でございまして、家族としての実態を考慮すべき、こういうふうに考えますと、これは継子、養子の区別なく在留特別許可を与えるべきと考えますけれども、その点、どうでしょうか。 ○南野国務大臣 この事案に関しましては、私も中国からの引揚者でございます。その当時を思い起こすと、本当に中国の方々にお世話になったことがある人たちもたくさんおられるかな、そのようにも思うわけでありますけれども、中国残留邦人の養子や継子の方につきましては、在留特別許可の判断に当たりまして、家族としての実態、ここに重きを置くわけでございますが、その他事案ごとの個別事情を十分に踏まえた上で、さらに人道的配慮をして、適切に措置していきたいというふうに思っております。 ○稲見分科員 では、今、御答弁いただきましたことを前提に、具体的にお聞きをいたします。 現在、裁判係争中あるいは裁判にまで至っていないけれども違反審査中の同様のケースは、どれだけあるのか。件数、家族数、人数、こういうことでお答えいただければと思います。 ○南野国務大臣 中国残留邦人の実子であるとして我が国に入国後、継子であることが判明したことにより退去強制命令が発付された家族がその取り消しを求めた訴訟は、現在、二件、二家族六名が係属しております。 違反の審査中など退去強制手続を受けている者の中で、中国残留邦人の実子でないいわゆる継子や養子に係る人数については、現在、入管当局が調査中でございます。同様の事案につきましては、家族としての実態その他個別の事情を踏まえて、適切に措置してまいりたいと考えております。 ○稲見分科員 今、裁判中のものが二件だけというふうにおっしゃいましたが、これは継子ということでありましたけれども、養子で裁判中のものはなかったですか。 ○三浦政府参考人 お答え申し上げます。 養子で裁判中の案件はございません。 ○稲見分科員 違反審査中の部分が定かでない、こういうことなわけですが、これは、対応を大臣がおっしゃっているような形で変更するということであれば、各入管、各現場に周知をする必要もあるというふうに思いますし、後日でも結構ですから、まず、その違反審査中の事案、分母を明確にして、その上で、在留特別許可を与えているというふうな分子、これはすぐにはわからないでしょうけれども、分母、分子の問題については、後日でも結構ですから、御報告をいただきたいと思います。よろしいですか。 それでは次に、現在、中国で五百五十人ほど残留孤児の方がおられる、こういうふうにお聞きをしております。それぞれの事情があるわけでありますけれども、継子、養子の家族がいるために帰国を断念あるいは逡巡しておられるという家族がないとも限らない、こういうふうに思います。 昨年の答弁では、把握しておられないということでありましたけれども、これからの帰国あるいは呼び寄せについて、継子、養子についても、家族としての実態があればこれは認めますよ、こういうことを中国の側で、中国の方で周知徹底すべきだというふうに考えますけれども、この点、いかがでしょうか。これは厚生労働省ですか。 ○大槻政府参考人 お答え申し上げます。 厚生労働省といたしましては、高齢となりました中国残留邦人の帰国の不安を取り除き、その円滑な帰国を促進する観点から、御指摘のように、継子、養子も含む子供等の家族が中国残留邦人の扶養や介助を行うなど、生活をともにすることを目的として本人に同行帰国される場合には、成年の子一世帯を帰国援護の対象としておるところでございます。現に、本人に同行して継子、養子世帯も帰国をされておるところでございます。 今後とも、厚生労働省といたしましては、いわゆる自立支援法に基づきまして、永住帰国する際に継子、養子を含む親族が帰国援護の対象となり得ることにつきまして、現地におきましても周知徹底を行いまして、円滑な帰国の促進を図ってまいりたいと考えております。 ○稲見分科員 同じことを、大使館、総領事館、たくさんありますので、外務省、きょうは来ていただいておりますよね、外務省、いかがでしょうか。 ○小井沼政府参考人 法務省の行っております在留資格審査と大使館、在外公館の行っております査証の発給というのは、表裏一体をなしているものでございます。外務省といたしましても、中国残留邦人の継子、養子からの査証申請につきましては、法務省等の関係省庁と密接に連絡をとりつつ、適切に対処することといたしたいと存じます。 ○稲見分科員 よろしくお願いします。 それで次に、残念ながら、裁判があって、そういう中で、例えば子供が勉強をしているので何とか留学生のビザだけいただけないか、そのかわり親としては帰ります、こういうふうなことで、退去強制令書あるいは自主的に帰国をされた方なんかも現実におられます。 そういう意味では、こういうふうに法務省として人道的な対応をしていただくということになりますと、既に退去強制処分あるいは自分の意思で帰国した者について、再入国なり原状復帰を考えるべきだというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。 ○南野国務大臣 お尋ねのような方が再び我が国に入国を希望する場合には、個々の事案ごとに、退去強制時の経緯のほか、入国を希望する理由、家族状況、生活状況、素行、内外の諸情勢その他諸般の事情等を総合的に考慮させていただきまして、上陸特別許可の可否について検討することとなります。 なお、実子同然に本国で生活をしていた養子、継子の方につきましては、このような家族としての実態は、上陸特別許可の判断に当たって考慮すべき事情の一つであろうと思っております。 ○稲見分科員 ぜひ、今非常に不安定な形で生活をしておられる方につきましては、できるだけ早急に、今法務省の方でお答えいただいたような在留特別許可について御検討いただきたい、こういうふうに思っております。 加えて、この問題を抜本的に解決することを考える場合、先ほど述べた判決理由を尊重しますと、制度的な保障、いわゆる定住者告示の改定が必要ではないか、こういうふうに考えております。先年申し上げましたが、インドシナ難民の場合には、国際的な責務ということもあり、養子、継子問題、これは外しております。 そういう意味では、一般的にすべて定住者の告示のところで一般の分まで外すかどうかということは、これは議論がありましょうけれども、例えば、特別、中国残留日本人の帰国問題については継子、養子問題をもう外してしまうというふうなことで改正をしていくべきではないかというふうに思っておりますが、その点、法務大臣、いかがでしょうか。 ○南野国務大臣 中国残留邦人につきましては、一般の方の対応とは異なった温かい配慮が必要であるということは認識いたしておりますが、このような特別な御事情については、基本的には個々の事情に応じて適切に対応していくのが最もよいと認識いたしております。 しかしながら、判決があったことを踏まえまして、取り扱いを明確にすべく、幼少時、具体的には六歳未満から実子と同様に育てられ、家族として生活をしてきた方については、その入国を一律に認めるための告示の改正も検討してまいりたいと考えております。 なお、告示によりまして一律に認めることとならない方につきましても、個々に、実子と同様に育ったか否か、また育ったとすれば、その経緯や現在の家族状況、生活状況等を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。 ○稲見分科員 定住者告示の改正についても言及をいただきまして、ありがとうございます。 ただ、これは六歳というふうに切りますと、現実問題として、例えば、成年になって、年老いていく日本人残留孤児についてお世話をしながら、そういう中で生活をともにし、養子縁組をしたという方も、現実にこの問題なんかはあるわけですよね。ちょっと六歳で切るというのは、せっかくそこまで言っていただいて申しわけないんですが、もう少し、今の帰ってこられている方の実態なんかも見ていただいて検討をいただければというふうに思っております。 その上で、今おっしゃいました個々のケースとしての在留特別許可については、人道的な立場、歴史性を含めて、これでもう決着をしていくんだという気持ちで、ぜひ法務省としての早急なお取り組み、御判断をいただきたい、このことを重ねてお願いをしておきたいと思います。 残留孤児の点は非常に前向きの答弁をいただいたので、これで気持ちよくやめたらいいんですが、そうはいきませんので、難民認定の問題に入らせていただきます。 UNHCRの駐日地域事務所首席法務官ナタリー・カーセンティさんと私もお話をさせていただきました。そして、カーセンティさんから、現在の日本政府の難民認定政策に対して三点を申し入れている、こういうふうなお話がございました。 一つは、不認定でも強制送還せず、自主帰還を原則とすること、二つ目に、収容しないこと、三つ目に、国際的に保護の必要な人は存在をしており、不認定でも補完的保護の形態を人道的に検討すること、こういうふうに申し入れて、日本政府からはまだ御返答はいただいておらない、こういうふうなお話でございました。 一方で、法務省は、マンデート難民にかかわりまして、「マンデート難民にかかる対応について」という方針といいますか、まとめをしておられます。口頭で恐縮ですが、三点、私の方から御紹介をいたします。 一 UNHCRは、第三国定住先の斡旋を行う。 法務省は、司法の判断において国側勝訴の判決のあった事案について、優先的に第三国定住先の斡旋を行うよう要請している。 二 法務省は、UNHCRにマンデートした理由・根拠の説明を依頼し、同説明及び処分後の事情の変更の有無等を踏まえて、人道的配慮の可能な事案があれば、在留特別許可の可能性も検討する。 三 法務省は、既にマンデートされている方については、UNHCRとの協議の状況等を踏まえ、個別の事情によっては、当分の間、収容しないこととしたうえで、解決を図る。 こういうふうな三点がお示しされております。 したがいまして、まずこのマンデートの問題について、一について、国勝訴の確定判決、あるいは上級審における訴訟係属中は何件あるのか。また、訴訟中に不認定を取り消すか、あるいは退去強制を取り消したケースは何件あるのか。二について、在留特別許可の可能性を検討する件数は何件か。既に裁判中あるいは裁判確定後に在留特別許可を出したケースは何件あるのか。三について、マンデートされている方々のうち、仮放免されている方、収容されている方、それぞれ何人おられるのか、この点、まずお聞きをしたいと思います。 ○三浦政府参考人 お答え申し上げます。 まず第一点目でございますが、マンデート難民のうち、訴訟で確定判決があったもの等が何件あるか、こういう御質問でございますけれども、委員御指摘のようなケースは確かに存在するわけでございますけれども、個々のケースについての件数につきましては、実は現在、UNHCRといろいろ協議を重ねておりまして、しかるべく解決ができるようにということで今双方努力しておるところでございますが、その中の申し合わせで、件数については公表を当面見合わせるということになっておりますので、申しわけございませんが、この趣旨を御理解いただければと存じます。 それから、二点目の、法務省が人道的配慮から在留を特別に許可した件数でございますが、これも、事案としては存在するわけでございますが、先ほど申し上げましたような同様の趣旨で、件数についてはここでお答えするのは御容赦願いたいというふうに思っております。 三点目の、マンデートされた方で現在収容されている方がいるかということでございますが、全員が現在収容されていない状態でございます。最後に仮放免になったケースは、本年の三月十一日に仮放免になっております。 ○稲見分科員 UNHCRといろいろ協議中ということで数字が出せないということであれば仕方ないわけですが、であれば、特にこの一、第三国定住先のあっせんの部分と、二の在留特別許可、この方々については、三で言っている「個別の事情」であるとか「当分の間」であるとかという条件をつけずに、ぜひ仮放免を続けることを要請しておきたいというふうに思います。 その上で、このマンデート難民というのは、やはり国際的な難民認定基準に熟知をした国連機関であるUNHCRが庇護の必要性を認めたケースでありまして、前回も申し上げましたが、他の条約締結国ではない特異なケースと言えます。この際、自主帰還あるいは自主的な第三国定住のケースを除いて、UNHCRが政府に申し入れている補完的保護の形態として在留特別許可を全員に与える、このことによって一たんマンデート難民の問題は決着をつけるべきではないか、こういうふうに思っております。 一と二について、数は求めませんけれども、むしろこれは在留特別許可で決着をつける、当然自分で出ていくという方は別にして、そういうふうな姿勢を持っていただけるのかどうか、この点は法務大臣にお聞きをしたいと思います。 ○南野国務大臣 一般論といたしましては、退去強制手続は被退去強制者を収容した上で進めるべきことが法律上定められております。この原則に従いまして手続を進めることとなるわけであります。なお、人道的に配慮を要する場合には、仮放免を弾力的に運用いたしております。また、難民条約上の難民としては認められない者も、諸般の事情を考慮して、保護が必要であると認められます方につきましては、在留特別許可を認める措置をしているところでございます。 お尋ねのマンデート難民につきましては、UNHCRと法務省が緊密な協力関係のもとに解決に向けた努力を行っているところでございまして、これらの方々についての解決策につきましては、UNHCRとの協議の状況等を踏まえまして、これまた人道上の観点に配慮した適切な運用に努めてまいりたいと思っております。 ○稲見分科員 法務大臣、一般的なということを前提にしておっしゃいましたけれども、私は、マンデート難民というのは日本の国益を非常に損なっている、こういうふうに前から申し上げています。日本が国際的に到達をしている難民認定基準に至っていないがゆえに、UNHCRが庇護の必要性のある人あるいは後発難民として迫害のおそれのある人をマンデートしてきたという経過があるわけですから、これから外務省、法務省、そしてUNHCR、三者で難民認定基準についていろいろすり合わせをして、ぜひ国際的な基準に私は到達していただきたい、こういうふうに思います。 その間に残ってしまったマンデート難民については、むしろ、やはり国際的な基準に熟知したUNHCRがその必要があるというふうに認めた方ですから、しかも、全体として二十七人ぐらいというふうにお聞きをしております。そこを一たん決着をつける、つまり在留特別許可で決着をつけるということが、諸外国からのこの間のいろいろな批判に対して、少しは日本としての国益を守るといいますか回復するといいますか、そういうことになるのではないかというふうに思っております。 この後でより厳しい一般の難民の問題を質問しますけれども、マンデート難民についてはぜひ在留特別許可という形で、それは、UNHCRが言っている内容からいきますと補助的な救済といいますか支援といいますか、そういう形で位置づけていただいてもいいのではないか、こういうふうに思います。今それ以上のお答えは無理だと思いますので、私としては、マンデート難民については、やはりここで決着をつけていくためには、在留特別許可という形で法務大臣の決断というものを強くお願いしたい、こういうことを申し上げておきたいというふうに思います。 それで、次に、先ほど申し上げましたけれども、マンデートされているといかんにかかわらず、日本における難民認定基準を国際的な基準に改善をしていく、こういうことが求められているというふうに考えております。そういう意味では、今「マンデート難民にかかる対応について」ということで少し法務省としての考え方が出されているわけですから、それとの整合性からいいますと、その他の難民認定にかかわっても人道的な配慮、見地というものが必要ではないか、こういうふうに考えております。 その一点は、一審の判決で国勝訴が出ますと、仮放免が取り消されて収容され、そして強制退去の手続に入るというのが非常に多い、頻発をしているということであります。これまではそうでもありませんでした。つまり、裁判の確定、上級審の確定まで長くかかるから、退去強制令書が出ているけれども仮放免状態を継続するということがあったわけですが、この間でいいますと、クルド人のDさん、Hさん、これは横浜ですが、スリランカ人のPさん、いずれも一審判決本人敗訴の後収容されている、こういうふうなことになっております。 これも国際的基準と違うんですが、庇護を必要とする者かどうかの結論というのが、日本の場合は、難民申請却下、異議申請却下というところで切れているわけです。諸外国の場合は、この行政処分が終わっても、その後司法の段階で、不認定の取り消し訴訟であるとか強制退去の令書の取り消し訴訟であるとかいうものが一審、二審というふうに続いていく、司法の処分が終わるまでを庇護の対象、庇護を希望する者、こういうふうに位置づけている。したがって、こういう、途中で収容というふうなことは行われていないわけです。 そういう意味では、先ほど、UNHCRが収容しないことというふうに言ったことからも、この庇護を必要とする者かどうかの結論を、裁判でひっくり返ることもあり得るわけですから、司法処分の上級審における、あるいは一審でも本人が控訴しない場合はあり得ますが、裁判における確定というところをもって判断をしていく、こういうふうにしていただけないかなという感じがしております。 技術的にはどうなるのかよくわかりませんが、そうしないと、例えば今、きょうも外務省に来ていただいていますが、難民認定、難民申請中、そして異議申請中であれば生活保障、支援をしていく、しかし、行政処分が済めば外務省としての生活支援もしない。一方で、仮放免を延長していても就労禁止をするというのでは、全く生活が成り立たないような状況になってきます。この仮放免の問題と生活の問題についても、司法処分が終わるまで、庇護を必要としている者かどうかという議論中だ、こういう判断をしていただければ、その矛盾が少しは解消するのではないかというふうに考えております。 具体的には、例えば自首といいますか、みずからオーバーステイでもう母国に帰りますというふうに出頭された方については、退去強制処分の令書を発付して、その日のうちに仮放免をして、準備をして出国をする、こういうふうなこともされておるようです。そういう意味では、行政処分と司法処分の間にある溝といいますか、これを埋めるために法務省としてぜひ努力をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○南野国務大臣 先ほど、最初にお話しになられました、難民不認定処分を受けた方が処分の取り消しを求めて訴訟を提起したといたしましても、入管法上、そのことのみをもって退去強制手続を停止させるという規定はございません。退去強制手続は被退去強制者を収容した上で進めるべきであるということが、これは法律上定められております。特に、訴訟におきまして国側勝訴の判決がなされたような事案、これも先生すぐおわかりになると思いますが、そういう事案につきましては、この原則に従って手続を進めることとなります。 ただし、人道的に配慮を要する場合には、仮放免を弾力的に運用しているものと承知いたしており、今後とも人道上の観点に配慮した適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 さらに、お尋ねの就労の件でございますけれども、退去強制命令が発付された方については、そもそも我が国で継続的に生活をされるための就労は認められないものでございます。また、仮放免に際しましても、身元保証人による生活支援等が確実に行われることを前提にこれは認めているところでございますので、御了解いただきたいと思っております。 ○稲見分科員 外務省に来ていただいていますが、しかしながら、裁判で逆転をする可能性があるという場合を含めて、では、外務省として生活支援を判決確定まで続ける、こういうふうな変更は可能でしょうか。 ○小井沼政府参考人 その辺の生活保障の件につきましても、難民認定制度全般につきましては、法務省が第一義的にはやっているわけでございます。 ただ、外務省も密接に協議をして進めておりますので、今後とも法務省と緊密に協議の上、検討してまいりたいと思います。 ○稲見分科員 時間が参りましたので終了しますが、やはり紋切り型で、いや、それは、就労はできません、当たり前ですということですが、実際に難民認定を求めてきておられる方ですから、やはり、裁判で決着がつき、本人も了解、納得をするというところまで生活支援を続けていただくか、あるいは就労のところ、わざわざ仮放免の裏側に、このごろとみに判こを押してまで就労するなというようなことを強調するようなことはぜひ配慮をいただけたらというふうに思います。 それから、特に補完的保護の形態、これについては、裁判あるいは行政処分としての難民認定、不認定という結果があっても、ぜひ幅広く、諸外国が、日本はようこそと言える国になった、外国人の方にようこそと言える国になったというふうな形で評価をされるように、今後ともぜひ努力をお願いしたいと思います。 このごろ、一週間に二遍も東京入管に仮放免をもう一回してくれというお願いに行っているんです。ぜひ、一審は敗訴したけれども控訴して、既にまた長期の裁判になるということが明確になっているようなケースは、できるだけ早く仮放免をお願いして、御質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。 ○山名主査 これにて稲見哲男君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして法務省所管の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十六日午前九時三十分から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十二分散会 ――――――――――――― |
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